今回「紅のひろば」を始めとする、東方合同オンリーに参加した自分だが、東方音楽オンリー「遊音ファンタジウム」は、様々な工夫が図られており、非常に興味深いものがあった。
そこで今回、「遊音ファンタジウム」のみ項を独立し、「遊音ファンタジウム」ならではのユニークな取り組みについて、語る事としたい。
「遊音ファンタジウム」は、東方の「音楽」を専門としたオンリー即売会である。
東方音楽を扱う即売会は、過去幾つか開催が試みられたが、率直申し上げて、中々結果に結びつかず、苦戦している即売会が多かった印象だ。
様々な理由が考えられるが、一つには「音」という素材をサークルスペース上で扱う事の難しさが考えられると思う。
通常の即売会形式でCDを「売る」事はできるにせよ、「売る」前段階の「音を聞いてもらう」という事が、通常の即売会の中では中々に難しい。音を出すと周囲の迷惑になってしまうからだ。
サークルも試聴機を用意し対応しているが、より多くの人々に音を伝えるには、正直「限界」もあると思う。
もう一つは、音系を扱うに有力な売り先が、既に十分存在している事が、考えられると思う。
同人音楽系即売会においては、既に「M3」が1000sp規模の一大勢力と化している。買い手も多く、充分な規模のマーケットとして成立している。
既存の東方オンリーだけでも数は多いし、それに加え、「M3」のような有力な売り先もある。
有力サークルだったら、同人ライブイベントに出演。イベント内の物販という手もあるだろう。
幾ら、「東方」の「音楽」だけに絞ったオンリーとは言え、様々な売り先が既に存在する中、新規の有力な売り先としての価値が無ければ、或いはそれに代わる何らかの価値を提示できなければ、サークルとしても参加は難しいだろう。
これらの理由により、幾ら東方が人気ジャンルとは言え、東方音楽でサークルを集め即売会を開くのは、中々難しそうに映る。
そんな中、「遊音ファンタジウム」は、見事50弱のサークルを集める事に成功した。東方界隈全体から見れば僅かかもしれないが、音楽系イベントの苦戦を考えると、相当の健闘と言えよう。
そこで今回、「遊音ファンタジウム」のみ項を独立し、「遊音ファンタジウム」ならではのユニークな取り組みについて、語る事としたい。
「遊音ファンタジウム」は、東方の「音楽」を専門としたオンリー即売会である。
東方音楽を扱う即売会は、過去幾つか開催が試みられたが、率直申し上げて、中々結果に結びつかず、苦戦している即売会が多かった印象だ。
様々な理由が考えられるが、一つには「音」という素材をサークルスペース上で扱う事の難しさが考えられると思う。
通常の即売会形式でCDを「売る」事はできるにせよ、「売る」前段階の「音を聞いてもらう」という事が、通常の即売会の中では中々に難しい。音を出すと周囲の迷惑になってしまうからだ。
サークルも試聴機を用意し対応しているが、より多くの人々に音を伝えるには、正直「限界」もあると思う。
もう一つは、音系を扱うに有力な売り先が、既に十分存在している事が、考えられると思う。
同人音楽系即売会においては、既に「M3」が1000sp規模の一大勢力と化している。買い手も多く、充分な規模のマーケットとして成立している。
既存の東方オンリーだけでも数は多いし、それに加え、「M3」のような有力な売り先もある。
有力サークルだったら、同人ライブイベントに出演。イベント内の物販という手もあるだろう。
幾ら、「東方」の「音楽」だけに絞ったオンリーとは言え、様々な売り先が既に存在する中、新規の有力な売り先としての価値が無ければ、或いはそれに代わる何らかの価値を提示できなければ、サークルとしても参加は難しいだろう。
これらの理由により、幾ら東方が人気ジャンルとは言え、東方音楽でサークルを集め即売会を開くのは、中々難しそうに映る。
そんな中、「遊音ファンタジウム」は、見事50弱のサークルを集める事に成功した。東方界隈全体から見れば僅かかもしれないが、音楽系イベントの苦戦を考えると、相当の健闘と言えよう。
「遊音ファンタジウム」のこだわりは、「サークルの音楽を皆に聴いて貰える環境づくり」にあると思う。
この手のイベントは、サークルの音楽を聴いてもらってナンボの世界。聞いて気に入ってもらえなきゃ、買ってもらう事もなかなか難しいだろう。(まあ、ジャケ買いの人もいるだろうけど)
その方向性は、決して間違ってはいない。寧ろ、正しい方向性だと思う。
この即売会における【PCDJ企画】は、「サークルの音楽を皆に聴いて貰える環境づくり」の最たるものである。
この企画は、事前申込制が条件となるが、会場内でサークルさんの音楽を流すという取り組みである。
単に音楽を流すのみなら、会場内のBGMに採用するなど、他の即売会でも取り組んでいるが、「遊音ファンタジウム」はもう少し凝っている。プロジェクタースクリーンを用意し、そこにサークルのアルバムジャケットや頒布スペース等を表示する事により、視覚的にもサークルをアピールする事ができる。
また、私は14時過ぎには撤収した為、実際の状況はお目にかかっていないのだが、「遊音ファンタジウム2nd PCDJ(Puniket Convention Disc Jockey) 申し込み方法」には、こんなご案内が書かれている。
これも、「サークルの音楽を皆に聴いて貰える環境づくり」の一環であろう。
>・生演奏アピール
>15時以降より、ギターなどの生音をアンプ無しの状態であればアピールの場を制限時間付きでご用意致します。
>可能な楽器は打楽器以外とさせて頂きますが、使用する楽器機材によってはお断りする事がございます。
>約5分程のアピール時間と致します。
>希望者は、備考に『生演奏アピール希望』と記載し、使用する楽器を記入と、MP3データと一緒に演奏する場合も備考に詳しく説明を記載して下さい。
生演奏は音が響き、周辺サークルの迷惑にもなりかねない、というリスクはある。
ただ、即売会が中だるみに入った時間帯で短時間ならば、生演奏も大きなクレームとはならず済むだろう。
実際に生演奏のサークルが何組居たかは分からないが、その時間にいらっしゃった方に、状況をお聞きしたいものである。
ただ、部屋を暗くして、LEDライトやミラーサイトを用いての演出は、「サークルの音楽を皆に聴いて貰える環境づくり」とは少し方向性が異なるような気がする。
確かに、音楽に合わせた光の彩りは華やかで、観ていて面白い。
運営側はクラブイベントを意識されたのだろうし、そういうクラブっぽいイベントをやってみたい!という思いもあったのだろう。
だが、これが6時間もの長時間続くとなれば、サークル参加者の「目」も疲れてしまう。即売会で曲をアピールする前に、目が疲れ疲労困憊…ともなりかねない。長く滞在するには厳しい環境に思う。
運営側が「こういう事をやってみたい!」とする思いは理解出来るから、「自粛しろ」とは決して申さないが、もう少し時間を区切っての演出とする等、滞在者の負担を減らす工夫を考えていただきたい。
この演出自体は(時間を考えてさえくれれば)良いとして、寧ろ私は、「サークルの音楽を皆に聴いて貰える環境づくり」の更なる徹底化をお勧め申し上げたい。
会場内の【PCDJ企画】は良い試みだとは思うが、あくまで全体サークルの中の1作品のみを取り上げているに過ぎない。それ以外にも、珠玉の作品は数多いが、それがスルーされてしまうのも惜しい。
そこで私は、PCDJ企画とは別に、「試聴コーナー」の設置を呼び掛けたい。
他の同人音楽の即売会ではよくある取り組みだが、音楽をじっくり聴く場があっても良いはずだ。
PCDJ企画が受動的に聴かせる音楽であるのに対し、「試聴コーナー」は、能動的に、じっくり聴ける音楽と言えようか。
より多くの曲を提示し、自由に参加者に選んで聴いて貰う、という考え方だ。
その試聴コーナーで聴ける曲は、事前にデータベースできれば理想だろう。
具体的には、サークルさんに、「サークル名」「作品名」「アーティスト名」「原曲」「(原曲のテーマとしている)キャラ」等のデータを記入して貰い、それをデータベース化。
参加者は、サークル名・アーティスト名・原曲・キャラ名等から検索し、当日会場で頒布されている作品を探し、聴く事が出来る。
例えば、「映姫様は俺の嫁だから、映姫様テーマの”六十年目の東方裁判”のアレンジを聴きたいぞよ」と欲したとする。この場合、キャラ名「四季映姫」か原曲「六十年目の東方裁判」で検索すれば、サークルさんのアレンジ曲が出てくる。
聴く側の求めるものと、サークルの作品とのマッチングが、より容易になるだろう。サークルにとってもプラスになるはずだ。
…まあ、そこまで出来れば理想だが…それも手間が掛かりそうな気もする。
もう少し手間がかからずに済みそうな方法としては、ホームページ上でも試聴が出来る体制を取る、という方法も考えられようか。
各サークルさんには、アピール用・試聴用の音楽を自身のサイトにアップロードしていただく。動画サイトへのアップロードでも構わない。
その上で、イベントサイト上に、特設の視聴ページを設け、各サークルさん作品に直接リンクを貼る。
これなら、イベント前に、各自端末と睨めっこしながらではあるが、良さげなサークルさんの音楽をチェックする事もできる。
或いは、当日PC端末を用意し、端末を操作させる事で、簡易の試聴コーナーにしても良いだろう。
同人音楽を即売会で扱うという事は、素材の「音」という特性ゆえ、非常に難しい。
机椅子を並べ作品を売る、という従来の即売会のスタイルは、正直合わないのではないか?と思う事もしばしばだ。
だが、同人音楽の即売会のポイントは、「サークルの音楽をいかにして皆に聴いて貰えるか」である。その方向性に沿えるよう心掛けながら、不躾かつ稚拙かもしれないが、上記の通りご提案申し上げた次第である。
「遊音ファンタジウム」は、これまでに無い新たな取り組みにチャレンジされており、その意欲は高く買いたいと思う。
「遊音ファンタジウム」の取り組みの中から、同人音楽に合った即売会のスタイルが生み出されれば、同人音楽全体のプラスになるかも?との期待もある。
「遊音ファンタジウム」の今後のチャレンジに、期待を寄せて参りたいものである。
この手のイベントは、サークルの音楽を聴いてもらってナンボの世界。聞いて気に入ってもらえなきゃ、買ってもらう事もなかなか難しいだろう。(まあ、ジャケ買いの人もいるだろうけど)
その方向性は、決して間違ってはいない。寧ろ、正しい方向性だと思う。
この即売会における【PCDJ企画】は、「サークルの音楽を皆に聴いて貰える環境づくり」の最たるものである。
この企画は、事前申込制が条件となるが、会場内でサークルさんの音楽を流すという取り組みである。
単に音楽を流すのみなら、会場内のBGMに採用するなど、他の即売会でも取り組んでいるが、「遊音ファンタジウム」はもう少し凝っている。プロジェクタースクリーンを用意し、そこにサークルのアルバムジャケットや頒布スペース等を表示する事により、視覚的にもサークルをアピールする事ができる。
また、私は14時過ぎには撤収した為、実際の状況はお目にかかっていないのだが、「遊音ファンタジウム2nd PCDJ(Puniket Convention Disc Jockey) 申し込み方法」には、こんなご案内が書かれている。
これも、「サークルの音楽を皆に聴いて貰える環境づくり」の一環であろう。
>・生演奏アピール
>15時以降より、ギターなどの生音をアンプ無しの状態であればアピールの場を制限時間付きでご用意致します。
>可能な楽器は打楽器以外とさせて頂きますが、使用する楽器機材によってはお断りする事がございます。
>約5分程のアピール時間と致します。
>希望者は、備考に『生演奏アピール希望』と記載し、使用する楽器を記入と、MP3データと一緒に演奏する場合も備考に詳しく説明を記載して下さい。
生演奏は音が響き、周辺サークルの迷惑にもなりかねない、というリスクはある。
ただ、即売会が中だるみに入った時間帯で短時間ならば、生演奏も大きなクレームとはならず済むだろう。
実際に生演奏のサークルが何組居たかは分からないが、その時間にいらっしゃった方に、状況をお聞きしたいものである。
ただ、部屋を暗くして、LEDライトやミラーサイトを用いての演出は、「サークルの音楽を皆に聴いて貰える環境づくり」とは少し方向性が異なるような気がする。
確かに、音楽に合わせた光の彩りは華やかで、観ていて面白い。
運営側はクラブイベントを意識されたのだろうし、そういうクラブっぽいイベントをやってみたい!という思いもあったのだろう。
だが、これが6時間もの長時間続くとなれば、サークル参加者の「目」も疲れてしまう。即売会で曲をアピールする前に、目が疲れ疲労困憊…ともなりかねない。長く滞在するには厳しい環境に思う。
運営側が「こういう事をやってみたい!」とする思いは理解出来るから、「自粛しろ」とは決して申さないが、もう少し時間を区切っての演出とする等、滞在者の負担を減らす工夫を考えていただきたい。
この演出自体は(時間を考えてさえくれれば)良いとして、寧ろ私は、「サークルの音楽を皆に聴いて貰える環境づくり」の更なる徹底化をお勧め申し上げたい。
会場内の【PCDJ企画】は良い試みだとは思うが、あくまで全体サークルの中の1作品のみを取り上げているに過ぎない。それ以外にも、珠玉の作品は数多いが、それがスルーされてしまうのも惜しい。
そこで私は、PCDJ企画とは別に、「試聴コーナー」の設置を呼び掛けたい。
他の同人音楽の即売会ではよくある取り組みだが、音楽をじっくり聴く場があっても良いはずだ。
PCDJ企画が受動的に聴かせる音楽であるのに対し、「試聴コーナー」は、能動的に、じっくり聴ける音楽と言えようか。
より多くの曲を提示し、自由に参加者に選んで聴いて貰う、という考え方だ。
その試聴コーナーで聴ける曲は、事前にデータベースできれば理想だろう。
具体的には、サークルさんに、「サークル名」「作品名」「アーティスト名」「原曲」「(原曲のテーマとしている)キャラ」等のデータを記入して貰い、それをデータベース化。
参加者は、サークル名・アーティスト名・原曲・キャラ名等から検索し、当日会場で頒布されている作品を探し、聴く事が出来る。
例えば、「映姫様は俺の嫁だから、映姫様テーマの”六十年目の東方裁判”のアレンジを聴きたいぞよ」と欲したとする。この場合、キャラ名「四季映姫」か原曲「六十年目の東方裁判」で検索すれば、サークルさんのアレンジ曲が出てくる。
聴く側の求めるものと、サークルの作品とのマッチングが、より容易になるだろう。サークルにとってもプラスになるはずだ。
…まあ、そこまで出来れば理想だが…それも手間が掛かりそうな気もする。
もう少し手間がかからずに済みそうな方法としては、ホームページ上でも試聴が出来る体制を取る、という方法も考えられようか。
各サークルさんには、アピール用・試聴用の音楽を自身のサイトにアップロードしていただく。動画サイトへのアップロードでも構わない。
その上で、イベントサイト上に、特設の視聴ページを設け、各サークルさん作品に直接リンクを貼る。
これなら、イベント前に、各自端末と睨めっこしながらではあるが、良さげなサークルさんの音楽をチェックする事もできる。
或いは、当日PC端末を用意し、端末を操作させる事で、簡易の試聴コーナーにしても良いだろう。
同人音楽を即売会で扱うという事は、素材の「音」という特性ゆえ、非常に難しい。
机椅子を並べ作品を売る、という従来の即売会のスタイルは、正直合わないのではないか?と思う事もしばしばだ。
だが、同人音楽の即売会のポイントは、「サークルの音楽をいかにして皆に聴いて貰えるか」である。その方向性に沿えるよう心掛けながら、不躾かつ稚拙かもしれないが、上記の通りご提案申し上げた次第である。
「遊音ファンタジウム」は、これまでに無い新たな取り組みにチャレンジされており、その意欲は高く買いたいと思う。
「遊音ファンタジウム」の取り組みの中から、同人音楽に合った即売会のスタイルが生み出されれば、同人音楽全体のプラスになるかも?との期待もある。
「遊音ファンタジウム」の今後のチャレンジに、期待を寄せて参りたいものである。