6月9日は、神奈川県小田原市開催の東方オンリー「東方求名録」に、サークル参加させていただいた。

この日は、金沢でも東方オンリー「金沢東方祭」が開催。
主催は「大9州東方祭」「新潟東方祭」などでお馴染みの「東方祭実行委員会」…というかチャンコ増田氏。
チャンコ氏が、本気を出した気合いの入った運営を見せた事もあり、正直、相当迷った。
ただ、金沢は継続して開催する気満々だ。今後も行く機会はある筈。
それならば、過去その存在は気になってはいたものの、日程合わず参加が叶わなかった、小田原の東方オンリー「東方求名録」に参加しようと考えた。

「東方求名録」は、初回は2011年2月開催。当初は、10数サークル程度の小じんまりとした規模に過ぎなかった。
しかしながら、昨年の第2回は、遠方の東方オンリーにチラシを撒く等、告知が積極化。その甲斐あり、サークル数も倍増の30サークル台に躍進した。
30サークル以上なら、オンリーイベントとして形になる数字だろう。

今回は、目標を40spに定めた。
この目標は、前回の数字からもう少し伸ばせば達成可能な、無理の無い数字だ。
前回同様、各種東方オンリーでチラシを撒き、地道に告知を図れば、充分達成可能な数字だと思った。

…だがしかし、今回は、「難敵」が登場した。
チャンコ増田氏による「金沢東方祭」の、同日開催。
しかも「金沢東方祭」は、有名東方サークルを招いての生ライブ開催等、企画も充実。明らかに「勝ち」に来ている。
否が応でも、サークルの視線は、金沢を向いてしまう…本気のチャンコ氏を相手に勝つ事は、相当に難しい。
「求名録」にとっては、明らかに不利な展開だった。

しかし「求名録」も、そういう不利な状況ながらも、よく頑張った。
締切時点では30サークル台に留まるも、その後も諦めずにサークル参加を募り、1サークル1サークル、コツコツとサークルを集め続けた。
その甲斐あり、最終的には46サークル50スペースに。募集sp満了と、前回以上の躍進を成し遂げたのであった。

会場は、小田原駅から徒歩10分の、小田原市民会館。
箱根や国府津等周辺地域に出るバスも、殆ど全てが市民会館前を通る事から、市民会館へのバスも頻発している。バスの利用も便利だろう。
ただ、会場が古い建物なのがネック。空調が利き辛く、野外へのドアを開放し対応した。
…今年は晴れてたし、外も暑くなかったからそれで対応できたが…去年は雨天だったので相当蒸したようだ(汗)

初動待機列は、20〜30人程度。他の東方オンリーと比べても、そんな多いとは言えない。
総来場者も209名で、数字的には過去最高だし、遠征者が金沢に食われる中大健闘だとは思うが、決して多い数字ではない。
地元参加者を中心に、まったりモードでの進行だ。

しかしながら買い手の購買意欲は非常に高く、参加者数の割に売れ行きは好調だった。
そんな売れないだろうとタカを括っていたのだが…嬉しい誤算である。
この場をお借りして、お立ち寄りいただいた皆様方に、そして小田原の皆さんの気っぷの良さに、感謝の意を申し上げたい。

サークル向けのユニークな試みとしては、サークル受付時に、小田原や箱根の名所を纏めたガイドマップが手渡された事。
そういえば、主催氏も挨拶の中で、「イベント終わったら小田原の街を楽しんで下さい」とおっしゃっていた。
サークルに、遠征組が多いからこその取組であり、おもてなしの一環なのだろう。

この手の取組は、久留米のオンリーでチラシ置き場に観光マップが置かれたり、京都のオンリーで観光ガイドブック的な合同誌が刊行されたり…数は少ないが最近少し増えつつある取組だ。
遠征者の多いイベントで、今後も散見されそうな気がする。

今回は、神奈川県警の警察官が定期的に巡回していた。
とあるサイトで、「会場で参加者皆殺し」みたいな書き込みがあった影響の模様。愉快犯なので相手にするのもどうかと思うが、念には念を入れてという事か。
神奈川県警も余計な仕事が増えて、迷惑な話である。

ちなみに、この書き込みは、「求名録」だけがその対象ではない。
同日横須賀開催の交通系オンリーも対象だし、もっと言えば【向こう数ヶ月の男性向けジャンルのイベントが、開催地域問わずほぼ全て網羅】されているという頭の痛い展開だ。
各都道府県警により対応は異なるだろうが、今後も、イベントによっては、警官の巡回や手荷物確認が行われるだろう。
我々も運営円滑化の観点から、事情を理解しつつ協力に努めねばならないだろう。

コスプレ参加は44名。
コスプレスペースは広く取っていたが、そんな人が多くなく、ゆったり撮影できる環境。
椅子テーブルが置いてあったのは意外に使い勝手が良かったようで、レイヤーさんが衣装のズレを直したり、化粧台代わりに活用したり、諸々活用が図られていた。
コスプレイヤーがここでメイクを整えている光景を見て、更衣室とは別にメイク直しのスペースを用意しておけば、更衣室の混雑緩和に繋がるかなあとも思ったが、実際はどうなのだろうか。

ただ、更衣室の広さがアンバランスな印象。
狭い部屋を男性、広い部屋を女性に充てる運用は、女性コスプレイヤーの多い普段のイベントなら当然の運用だろう。
だが、東方は男性コスプレイヤーの方が多い。東方に限っては、広い更衣室を男性用にすべきだったと思う。

今回、会場内を見回して面白かったのは、【東方しりとり】のコーナー。
ホワイトボードや黒板に、東方関連のキーワード縛りで、ひたすらしりとりを続ける企画。
一般/サークル/スタッフ問わず、誰でも参加できる気軽さが受けたのだろうか。「東方しりとり」は会期中、常時盛り上がっていた。
イベント終了直前に、「ZUN」という単語が来て、きれいに終わった事も申し添えておきたいw

こうして無事に催事終了となった「東方求名録」。
確かに同じ日の金沢のイベントとかと比べ、派手さは無いかもしれないが、その代わり、小さな事から少しずつ、コツコツと地道に取り組んでいる。そういう印象を抱いた。

次回も来年6月の開催を考えているとのこと。
こういう、まったりムードの東方オンリーも、のんびりと過ごせるので、雰囲気は悪くない。
スケジュールが上手く合えば、次回も是非顔を出したいものである。

また、「求名録」の主催氏は、普段はオールジャンルの同人誌即売会「本屋」を、ここ小田原にて、定期的に継続して開催している。
全国即売会行脚の一環として、「本屋」にも足を運ぼうとも考えている。