山梨県の同人誌即売会は、かっては「コミックワールド」が甲府を舞台とし、100sp以上の規模で開催されていた。
「コミックワールド」突然の撤退後、後継イベントとして「コミックチャレンジ」が名乗りを上げるも、流石に、「コミックワールド」時代の規模維持は難しかった模様だ。
また、松本の同人誌即売会「COMIC FACTORY」が「甲州遠足」と題し、一度だけ山梨に進出してきた事もあった。
この即売会は、本来の地盤たる松本からの参加サークルが大半を占めたものの、100sp規模を集め、一定の成果を残した。
「COMIC FACTORY 甲州遠足」は一度きりの開催だったが、これに感銘を受け、新たに興った即売会…それが、「COMIC BREAKER」である。
「COMIC FACTORY」は、自らを「悪の組織」と称し、企画の事を「作戦」と称したり、サークル参加の事を「サークル参戦」と称したり。独特の言葉遣いが特徴的なイベントだw
「COMIC BREAKER」も、「参戦」だとか「作戦司令部」なんて呼称を用いることがあり、「COMIC FACTORY」の影響を受けている事が伺える。
今でこそファクトリー色が弱まり、独自色は強まりつつあるとは思うが、今も尚、ファクトリー関係者がスタッフとしてお手伝いしている。
互いに独立して運営しつつも、強い協調関係が築かれているものと思われる。
前から一度お邪魔しようと思っていたこの即売会、9月28日のスケジュールが空いていたので、急遽参加を決めた。
会場は、甲府駅から南に約3kmの、「ジット甲府プラザ」。
甲府駅からは、一応バスも出ているが、山梨県内の公共交通事情は、県都の市街地であっても、壊滅寸前の厳しい状態だ。
バスは1日僅か6本…かといって歩くと約40分だ。
会場は300台収容の無料駐車場が完備されている事もあり、やはり、車を利用しての参加者が多い模様だ。
私は、先週の苫小牧同様、自転車を利用。自転車なら、所要時間は約10分だ。
甲府は、駅前のホテル組合が共同で、レンタサイクルを運営している。駅前のホテルが窓口となり、自転車を貸してくれる。
私は、駅そばの東横インに飛び込み、自転車をお借りした。
晴天の秋空ゆえ、快適に走れたが、雨天時や積雪時は使いづらいか?
車以外のアクセスはいささか苦しいが、会場近辺にはコンビニやジョナサンもある。昼食や物資買い出し等で、困る事はないだろう。
サークル数は、パンフレットを拝見する限り、21サークル/25sp程度。規模的には、そんな大きくない。
但し、当日の飛び入り参加も受け付けており、これも含めると30sp超程度だろうか。
ジャンル傾向はバラバラだが、進撃・タイバニ・東方・ボカロがやや多めか。
ただ男性サークルが少なめで、私ともう1サークルさんぐらいかw
他は皆、女性のサークルさんばかりだ。
年齢層的には、10代後半から20代前半が多く、他地域の地場の即売会と、そんな大きな差は無かったと思う。
一般参加者になると男性比率が大幅に上がり、男女比は3:7ぐらいとなる。
一般参加者を見ると、男性陣の参加も多いので、男性でもアウェイ感を持たずに参加できると思う。
初動は10〜15人ぐらいのまったりスタートだが、時間の経過と共に人の往来が増えてきた。
12時になると、館内は話し声がこだまし賑やかな雰囲気に。
コスプレイヤーも、この辺りから暫時増えてきた。お昼過ぎに目算で数えてみたら、30〜40人ぐらいはいらっしゃった。
時間を限定してだが、屋上もコスプレスペースに提供し、コスプレイヤーへの便宜を図っていた。
この即売会で特筆すべき点は、参加者の滞留率が非常に高い事だ。
一般参加者も、フリースペースで休憩を取りつつ、気が向いたら足を運んでくれる。
コスプレイヤーさんも、コスプレスペースをメインの居場所としつつも、気が向いたらサークルにも立ち寄ってくださる。
長時間滞在の一般/コスプレ参加者が結構多く居り、場の賑わいも増した。
サークル的にも、滞留率が高い分、お立ち寄りいただける参加者も多くなり、大変ありがたかった。
しかし、何故ここまで皆が、長時間居続けているのだろうか?
午後に、ジェスチャーゲーム等の企画が行われるから、それまで残る、という方もいらっしゃるだろうが、皆が皆企画に参加するわけでもない。
バスの本数が少なく、バスの時間が来るまで会場に居る、という方もいらっしゃるのかもしれないが、大抵の参加者は車利用。バス組は少数派…という事で、これも、理由としては弱い。
正直、何故ここまで滞留率が高いのか
説明できないが、場の賑わいが増し、サークルに立ち寄る方も増える。
即売会にとって、歓迎すべき現象である事は間違いない。
また、先にも少々触れたが、コスプレイヤーのサークル回りが多かった事も、この即売会の特徴だ。
他のイベントでは、コスプレイヤーさんがサークルに買い物に来ず、サークルスペースとコスプレスペースとの間に「見えない壁」ができるケースも決して少なくは無い。
だが、このイベントは、コスプレイヤーもサークル周りに熱心だ。
「COMIC BREAKER」のイベント名の由来は、サイトを拝見する限り、「一般、サークル、コスプレ、個々の壁をブチ壊し、会場一帯となってイベントを作り上げていきたいという気持ちを込めて」との事。
先述した、余所のイベントにありがちな、サークルとコスプレイヤーとの「見えない壁」を壊したいとの思いも、この理念の中に含まれているのだろう。
主催陣の願いが参加者の皆さんにも通じ、それが今回のイベントのように、コスプレイヤーさんとサークルとが交流を図れるような形に繋がっているのかもしれない。
13時からは、マイクを用いてのジェスチャーゲーム大会。
14時からじゃんけん大会、コスプレコンテスト・イラストコンテストの発表と、企画物が続く。
コスプレコンテストの投票は、コスプレイヤーさんにナンバー入りの登録証をぶら下げて貰い、ナンバーで投票してもらう形式だ。
ただ、これらの企画、マイクを使ってのステージイベント。参加者の視線が、ステージにどうしても集まり、サークルに向かなくなってしまう。
参加者を滞留させる為にも必要なのかもしれないが、せめてもう少し音量絞って欲しかったかなあ…
いや、私がステージ近くの配置という事もあって、どうしても音量が大きくなる。
来訪される方との会話がしんどかったレベル。
もう少しマイクの音量を抑えていただければありがたいものだ。
総じて見て、サークル・一般・コスプレイヤーの垣根を超え、交流が盛んな、居心地の良い即売会という印象だ。
機会があればまた足を運ぼうとも思う。
来年2月に、10回目の開催を記念し、規模を拡大し開催されるようなので、そこに足を運んでも良いかな?と検討し始めている。
という訳で最後に、来年2月開催の拡大版について語りたい。
本来ならアイメッセ進出おめでとう!とでも申し上げたいところだが、若干の懸念を持っており、そこについて触れたい。
来年2月16日の開催、会場「アイメッセ山梨」は、200sp以上のサークルを収容可能な大きな会場だ。
かつての「コミックワールド」も、その後継の「コミックチャレンジ」も、この会場を利用している。
ある程度規模の大きな即売会を開催する時に、この会場は使われる。
だが、広いということは、それなりのサークルを集める必要がある、という事でもある。
200spも入る会場に、40sp程度じゃ見栄えも悪いだろう。最低でも、100spは集めないと、見栄えは良くない。
私の懸念は、今まで30〜40sp程度でやってきたイベントが、どうやって100sp集めるのよ?ちゃんと集められるの?という事だ。
ましてや、アイメッセ開催に際し、周辺環境は極めて厳しい。
先ず、アクセスの問題。
アイメッセに乗り入れる公共交通機関として、これまでは1日7便ながらもバスが出ていたが、これが廃止に。
臨時バスを運行させるとのことだが、不便は免れない。
後は、JR国母駅か医療センターのバス停(そこまではバスがある)から、タクシーを利用するしかない。
同じアイメッセ開催の「コミックチャレンジ」も、そこは悩みの種となっていよう。
そして今回何故か同日に、甲府駅前で「コミックチャレンジ・ミニ」が開催。
即売会の同一地域・同日バッティングで、サークルの食い合いという最悪の事態だ。
…お前ら主催同士知らぬ仲でもねえのに何やっとんじゃな感はあるが、今更覆しにくいだろうから、互いのイベントがそれぞれ頑張るしかないのだろうが…
そんな感じで、アイメッセで「COMIC BREAKER」が開催するのは良いが、サークル集めは相当大変だ。
「COMIC BREAKER」主催は、その現状に自覚を持ち、死に物狂いでサークル集めに臨む必要があると思う。
冬コミで全サークルにチラシを撒く。松本の「COMIC FACTORY」にジャンピング土下座して、松本のサークルさんにも遠征参加して貰うよう働きかける。福岡の「COMIC Stream」のように、人気のあるジャンルのオンリーと併催する…
上記は一例だが、様々手を尽くし、1サークルでも多くのサークルさんに参加して貰えるよう、なりふり構わず、がむしゃらになるべきだと思う。
「COMIC BREAKER」側が死ぬ気で頑張るのなら、私もチラシ配布等、スケジュール等合えばお手伝いするので、お声掛けいただきたい。
100sp以上確保するのも大変だとは思うが、もし3桁規模でサークルを集められたならば、今後の「COMIC BREAKER」そして山梨の同人界隈に、明るい未来への光が射す…そんな予感がする。
「コミックワールド」突然の撤退後、後継イベントとして「コミックチャレンジ」が名乗りを上げるも、流石に、「コミックワールド」時代の規模維持は難しかった模様だ。
また、松本の同人誌即売会「COMIC FACTORY」が「甲州遠足」と題し、一度だけ山梨に進出してきた事もあった。
この即売会は、本来の地盤たる松本からの参加サークルが大半を占めたものの、100sp規模を集め、一定の成果を残した。
「COMIC FACTORY 甲州遠足」は一度きりの開催だったが、これに感銘を受け、新たに興った即売会…それが、「COMIC BREAKER」である。
「COMIC FACTORY」は、自らを「悪の組織」と称し、企画の事を「作戦」と称したり、サークル参加の事を「サークル参戦」と称したり。独特の言葉遣いが特徴的なイベントだw
「COMIC BREAKER」も、「参戦」だとか「作戦司令部」なんて呼称を用いることがあり、「COMIC FACTORY」の影響を受けている事が伺える。
今でこそファクトリー色が弱まり、独自色は強まりつつあるとは思うが、今も尚、ファクトリー関係者がスタッフとしてお手伝いしている。
互いに独立して運営しつつも、強い協調関係が築かれているものと思われる。
前から一度お邪魔しようと思っていたこの即売会、9月28日のスケジュールが空いていたので、急遽参加を決めた。
会場は、甲府駅から南に約3kmの、「ジット甲府プラザ」。
甲府駅からは、一応バスも出ているが、山梨県内の公共交通事情は、県都の市街地であっても、壊滅寸前の厳しい状態だ。
バスは1日僅か6本…かといって歩くと約40分だ。
会場は300台収容の無料駐車場が完備されている事もあり、やはり、車を利用しての参加者が多い模様だ。
私は、先週の苫小牧同様、自転車を利用。自転車なら、所要時間は約10分だ。
甲府は、駅前のホテル組合が共同で、レンタサイクルを運営している。駅前のホテルが窓口となり、自転車を貸してくれる。
私は、駅そばの東横インに飛び込み、自転車をお借りした。
晴天の秋空ゆえ、快適に走れたが、雨天時や積雪時は使いづらいか?
車以外のアクセスはいささか苦しいが、会場近辺にはコンビニやジョナサンもある。昼食や物資買い出し等で、困る事はないだろう。
サークル数は、パンフレットを拝見する限り、21サークル/25sp程度。規模的には、そんな大きくない。
但し、当日の飛び入り参加も受け付けており、これも含めると30sp超程度だろうか。
ジャンル傾向はバラバラだが、進撃・タイバニ・東方・ボカロがやや多めか。
ただ男性サークルが少なめで、私ともう1サークルさんぐらいかw
他は皆、女性のサークルさんばかりだ。
年齢層的には、10代後半から20代前半が多く、他地域の地場の即売会と、そんな大きな差は無かったと思う。
一般参加者になると男性比率が大幅に上がり、男女比は3:7ぐらいとなる。
一般参加者を見ると、男性陣の参加も多いので、男性でもアウェイ感を持たずに参加できると思う。
初動は10〜15人ぐらいのまったりスタートだが、時間の経過と共に人の往来が増えてきた。
12時になると、館内は話し声がこだまし賑やかな雰囲気に。
コスプレイヤーも、この辺りから暫時増えてきた。お昼過ぎに目算で数えてみたら、30〜40人ぐらいはいらっしゃった。
時間を限定してだが、屋上もコスプレスペースに提供し、コスプレイヤーへの便宜を図っていた。
この即売会で特筆すべき点は、参加者の滞留率が非常に高い事だ。
一般参加者も、フリースペースで休憩を取りつつ、気が向いたら足を運んでくれる。
コスプレイヤーさんも、コスプレスペースをメインの居場所としつつも、気が向いたらサークルにも立ち寄ってくださる。
長時間滞在の一般/コスプレ参加者が結構多く居り、場の賑わいも増した。
サークル的にも、滞留率が高い分、お立ち寄りいただける参加者も多くなり、大変ありがたかった。
しかし、何故ここまで皆が、長時間居続けているのだろうか?
午後に、ジェスチャーゲーム等の企画が行われるから、それまで残る、という方もいらっしゃるだろうが、皆が皆企画に参加するわけでもない。
バスの本数が少なく、バスの時間が来るまで会場に居る、という方もいらっしゃるのかもしれないが、大抵の参加者は車利用。バス組は少数派…という事で、これも、理由としては弱い。
正直、何故ここまで滞留率が高いのか
説明できないが、場の賑わいが増し、サークルに立ち寄る方も増える。
即売会にとって、歓迎すべき現象である事は間違いない。
また、先にも少々触れたが、コスプレイヤーのサークル回りが多かった事も、この即売会の特徴だ。
他のイベントでは、コスプレイヤーさんがサークルに買い物に来ず、サークルスペースとコスプレスペースとの間に「見えない壁」ができるケースも決して少なくは無い。
だが、このイベントは、コスプレイヤーもサークル周りに熱心だ。
「COMIC BREAKER」のイベント名の由来は、サイトを拝見する限り、「一般、サークル、コスプレ、個々の壁をブチ壊し、会場一帯となってイベントを作り上げていきたいという気持ちを込めて」との事。
先述した、余所のイベントにありがちな、サークルとコスプレイヤーとの「見えない壁」を壊したいとの思いも、この理念の中に含まれているのだろう。
主催陣の願いが参加者の皆さんにも通じ、それが今回のイベントのように、コスプレイヤーさんとサークルとが交流を図れるような形に繋がっているのかもしれない。
13時からは、マイクを用いてのジェスチャーゲーム大会。
14時からじゃんけん大会、コスプレコンテスト・イラストコンテストの発表と、企画物が続く。
コスプレコンテストの投票は、コスプレイヤーさんにナンバー入りの登録証をぶら下げて貰い、ナンバーで投票してもらう形式だ。
ただ、これらの企画、マイクを使ってのステージイベント。参加者の視線が、ステージにどうしても集まり、サークルに向かなくなってしまう。
参加者を滞留させる為にも必要なのかもしれないが、せめてもう少し音量絞って欲しかったかなあ…
いや、私がステージ近くの配置という事もあって、どうしても音量が大きくなる。
来訪される方との会話がしんどかったレベル。
もう少しマイクの音量を抑えていただければありがたいものだ。
総じて見て、サークル・一般・コスプレイヤーの垣根を超え、交流が盛んな、居心地の良い即売会という印象だ。
機会があればまた足を運ぼうとも思う。
来年2月に、10回目の開催を記念し、規模を拡大し開催されるようなので、そこに足を運んでも良いかな?と検討し始めている。
という訳で最後に、来年2月開催の拡大版について語りたい。
本来ならアイメッセ進出おめでとう!とでも申し上げたいところだが、若干の懸念を持っており、そこについて触れたい。
来年2月16日の開催、会場「アイメッセ山梨」は、200sp以上のサークルを収容可能な大きな会場だ。
かつての「コミックワールド」も、その後継の「コミックチャレンジ」も、この会場を利用している。
ある程度規模の大きな即売会を開催する時に、この会場は使われる。
だが、広いということは、それなりのサークルを集める必要がある、という事でもある。
200spも入る会場に、40sp程度じゃ見栄えも悪いだろう。最低でも、100spは集めないと、見栄えは良くない。
私の懸念は、今まで30〜40sp程度でやってきたイベントが、どうやって100sp集めるのよ?ちゃんと集められるの?という事だ。
ましてや、アイメッセ開催に際し、周辺環境は極めて厳しい。
先ず、アクセスの問題。
アイメッセに乗り入れる公共交通機関として、これまでは1日7便ながらもバスが出ていたが、これが廃止に。
臨時バスを運行させるとのことだが、不便は免れない。
後は、JR国母駅か医療センターのバス停(そこまではバスがある)から、タクシーを利用するしかない。
同じアイメッセ開催の「コミックチャレンジ」も、そこは悩みの種となっていよう。
そして今回何故か同日に、甲府駅前で「コミックチャレンジ・ミニ」が開催。
即売会の同一地域・同日バッティングで、サークルの食い合いという最悪の事態だ。
…お前ら主催同士知らぬ仲でもねえのに何やっとんじゃな感はあるが、今更覆しにくいだろうから、互いのイベントがそれぞれ頑張るしかないのだろうが…
そんな感じで、アイメッセで「COMIC BREAKER」が開催するのは良いが、サークル集めは相当大変だ。
「COMIC BREAKER」主催は、その現状に自覚を持ち、死に物狂いでサークル集めに臨む必要があると思う。
冬コミで全サークルにチラシを撒く。松本の「COMIC FACTORY」にジャンピング土下座して、松本のサークルさんにも遠征参加して貰うよう働きかける。福岡の「COMIC Stream」のように、人気のあるジャンルのオンリーと併催する…
上記は一例だが、様々手を尽くし、1サークルでも多くのサークルさんに参加して貰えるよう、なりふり構わず、がむしゃらになるべきだと思う。
「COMIC BREAKER」側が死ぬ気で頑張るのなら、私もチラシ配布等、スケジュール等合えばお手伝いするので、お声掛けいただきたい。
100sp以上確保するのも大変だとは思うが、もし3桁規模でサークルを集められたならば、今後の「COMIC BREAKER」そして山梨の同人界隈に、明るい未来への光が射す…そんな予感がする。