山梨県の同人誌即売会主催団体に、「アニメ倶楽部甲府」というところがある。
アニメ倶楽部甲府は、普段「コミックチャレンジ」というオールジャンル同人誌即売会を開催している団体だが、一念発起してか、東方オンリーを開催するなどと言い出した。

その話を聞いた当初、私は色々と心配した。
主催氏は東方の事どこまで知ってるかな?とか告知戦略大丈夫かな?とか…
普段のオールジャンル即売会「コミックチャレンジ」でのやり方と、東方オンリーで通用しそうなやり方とで、結構開きがあるだろうと感じており、この開きを埋めて、せっかくのオンリーを成功に導いていただきたい。
そう思い、私も一念発起して、当ブログ上で「東方甲州祭」成功目指しての提言を纏めさせていただいた。

山梨の即売会「コミックチャレンジ」東方オンリー進出に当たって〜成功の為の道標〜
(前編) http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51935859.html
(中編) http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51935982.html
(後編) http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51936122.html

山梨県外の東方オンリーでの告知が手薄になるのでは?とも思い、自ら主催氏にチラシ配布協力を申し出た。
私も全国各地の即売会を巡っている身。東方オンリーへの遠征も多いので、多少は告知の足しになるだろうと思ったからだ。
1000枚近くのチラシをお預かりし、4月の新潟東方祭から10月の東方紅楼夢でチラシが尽きるまで、(枚数に限界があったのでチラシ置き場中心とはなったが)多くの即売会でチラシを撒かせていただいた。

11月下旬にサークルリストが発表。14サークルは、東方オンリーにしてはちょっと少なめの数字だ。
…うーむ、せっかく告知を任されたのに、あまりお役に立てなかったかなあ…
ただ、後で聞くと山梨県内のサークルは2サークルのみ。他は皆県外からの遠征とも聞く。
全く役立たずだった訳でもない…と信じたい所である(汗)
なお、サークルリスト掲載後も随時サークル参加は受け付けており、最終的には24spとそこそこの数字に積み増せた事も、申し添えておきたい。

(しかし、3年前甲府で開催された東方オンリー「凱風快晴」の時も、過半数が県外からの遠征組。東京からの近さもあるので、遠征組が多いだろうとは予想していたものの、ここまで遠征組ばかりとわ…地元組も頑張って欲しい所です)

文々2

会場は、甲府駅前の県立図書館「かいぶらり」。ここの入口横にあるイベントスペースを会場として充てている。
不特定多数が来場する公共の施設なので、たまに間違って入ってしまう一般人の方もいらっしゃったが、受付で「東方オンリーですが大丈夫ですか?」などと聞いて誤入場を防いでいた。
建物は綺麗で新しい。駅前のロケーションという立地の良さもあり、今後も即売会会場としての有効活用が期待されるところだ。

文々3

会場入口には、特製の赤い鳥居…!これどうやってここまで運んできたのよw
主催氏手づくりの逸品で、極太の紙パイプを材料に、自ら鋸を引いて加工してつくったとか…
主催氏の、東方オンリーに賭ける意気込みの強さを、この鳥居から伺い知る事となった。
なお、今後の「アニメ倶楽部甲府」主催東方オンリーでは、この鳥居がランドマークになるらしいので、他のイベントでも拝む機会は出て来そうだ。

また、鳥居や本部の周辺には、特製の「のぼり」も登場。
これは、来年1月に静岡県は沼津開催の東方オンリー「東方蓬莱祭」の主催でもある「ツインポケット」さんの協力により制作された逸品。
フルカラー、完全オーダーメイドで、4〜5種ほど確認した。
会場の目印になると共に、お祭りの雰囲気に華を添えた。
これも、今後の「アニメ倶楽部甲府」主催東方オンリーの「名物」として、お目にかかる事ができるだろう。

会場外を見ると、直前ギリギリまで列形成を行わなかった事もあり、正確な数は把握できなかったが、30〜40人程度が開場を待っていた模様。
皆それぞれが、図書館内のロビーやカフェに陣取り、開場を待っていたようだが、人数も多くなかったので、混乱も無く穏やかな雰囲気だ。
今回は会場外に列整理のスタッフを置かなくとも、特段の問題は無かったとは思う。
ただもう2割増しの人出になれば、一般の図書館利用客との混乱を避ける意味で、会場外の列整理要員も必要になるのかな?と思った。

開場は11時。開場当初はそれほどの人出でもなかったが、尻上がりに、少しずつ来訪者が増えていく。
人の入りは絶えず、閑散も混雑も無く、穏やかに即売会は進んでいく。
以前アイメッセ山梨開催の「コミックチャレンジ」に参加した時は、スタッフ要員が不足しており、運営が上手く回っていなかった。
甲州祭も同様になるのでは?という不安はあったが、今回はスタッフも最低5〜6人は確保。この規模(約20sp)ならば充分回していける要員だ。
アイメッセに比べ小さい会場である分、スタッフの目が行き届きやすいという事もあるとは思うが、アイメッセの時に感じた人手不足、それに伴う運営の後手後手感。これらは、甲州祭では感じなかった。

会場内には、セルフサービスでのフリードリンクサービスが用意。
これは「コミックチャレンジ」でも見られ、いつもの定番企画と言えよう。
私も、何杯かご馳走になった。

お昼過ぎには、アピールタイム。簡易ステージを用意し、そこでイベント主催が自イベントをアピール。
このアピールタイムの特徴としては、イベント主催に限らず、参加者個人単位(サークルやコスプレイヤー等)にも門戸を開いている所だ。
(これも「コミックチャレンジ」のやり方を踏襲している)
チルノコスのレイヤーさんが、音楽に合わせダンスを披露するなど、様々な趣向のアピールが繰り広げられた。
ただ、どうしても人だかりが出来るので、ステージに近いサークルさんの前は人だかりで頒布がしづらい状況になる。
サークルさんによってはクレームになる恐れもあるので、もう1〜2mぐらい、ステージとサークルとの間隔を開けた方が無難か。

目新しい企画では、東方花札の用意。休憩所に設置されているが、東方で花札というのも初めての試みではないだろうか。

また、「東方俳句」という企画も、東方界隈初の試みだ。
俳句と言っても、季語必須ではなく、寧ろネタ系推奨といった所。
誰でも気軽に参加できるという事もあり、力作が十数首投稿された。
夕方まで投票を受け付けており、優秀作には景品が進呈された模様だ。

今回の「甲州祭」では、企業出店も行われた。
静岡の「ツインポケット」は、甲州祭ののぼり作成で協力しているご縁もあって、企業枠にての参加。
また、金沢の同人ショップ「grep」も参戦。人だかりが多いので軽く嫉妬するw
参加者の多くが地元中高生だが、彼らに買いやすい小物作品に人気が集まっていた模様。

コスプレ参加は意外と少なく、20人ぐらいと控え目。
「アニメ倶楽部甲府」がプレイベントとして富士で東方オンリーを開催した時は、コスプレイヤー多数で賑わったと聞いていたので、山梨も同様かと思ったが、蓋を開けてみるとそれほどでもなかった印象。
このイベントのランドマークとなる、入口の赤い鳥居の前で、集合写真を撮る一幕もあった。

4年前「コミックチャレンジ」に参加して余り良い印象を抱けなかったせいもあるが、東方オンリー開催と聞いて少し心配したが、終わってみれば大きな瑕疵も無く、のんびり楽しめた東方オンリーだったと思う。
…考えてみれば、4年前と今とでは、運営のやり方も違って当たり前。その4年の間に、相当の改善を果たしている事もまた事実だ。
改善が図られたからこそ、即売会も首尾よく終える事ができたのだ。
次回は、4年前から今回の「甲州祭」の間に、このイベントが図った改善点と、今後改善すべき点とを、掘り下げて語りたい。