3月20日は、春休み時期の3連休という事もあってか、様々な同人誌即売会やオタク向けイベントが目白押し。私の周囲も、ガルパン舞台・茨城県大洗町の「海楽フェスタ」に流れる者あり、都内の同人誌即売会に流れる者あり、広島県江田島市の艦これオンリー「砲雷撃戦!よーい!」に流れる者あり…と多様だった。
そんな中、私は敢えて長崎県は五島列島の同人誌即売会「よかコミ」に足を運んだ。
五島列島は、長崎や佐世保から船で西に約100km弱ぐらいの、西海に浮かぶ離島群。
風光明媚な風景だが、本土とはフェリーや高速船でのアクセスであるため、遠征好きの自分でも流石に骨が折れる。
今回、行きは博多・深夜発のフェリーで約8時間掛けて五島列島入り。帰りも、フェリーで3時間掛けて長崎市に戻ったぐらいだ。

そんなアクセス大変な離島・五島列島。長崎市に行けば同人誌即売会はあるだろうが、フェリーで片道3時間を要するので、中々足を運べない。正直、面倒くさい。
ならば島で同人誌即売会を開いてしまえ。
そういう思いから開催に至った即売会が、「よかコミ」である。
とは言え、五島列島に住む人の数も、そんな多いわけではない。
五島列島で一番人の集まる町は、福江島。港の周辺に繁華街・商店街も形成されそこそこの賑わいを見せているものの、福江島を市域とする五島市の人口は、僅か3万余り。
同人誌即売会を開くバックボーンなるべき「人口」が、極めて少ない(だからこそ各県で開催される同人誌即売会は、県の中心部である県庁所在都市での開催が多い)。
私が見た限り、聖地開催のオンリーイベント系はともかく、オールジャンル同人誌即売会では、人口6万の敦賀市や舞鶴市で継続し得る開催は確認しているが、それを下回る人口の町で継続開催し得るケースは殆ど皆無に等しいと見ている。
それでも、前回は18サークルが集い、170人が参加したとの事。
人口3万の福江島を舞台に、よくこれだけの同人者が集まったものだ、とも思うが、人口の少ない地方の町でも、一般参加者を集め、サークルを集めるに当たって、色々やりようはある。
昔、当ブログでは、福井県敦賀市で当時開催されていた同人誌即売会「BUTTERFLY」を事例に挙げ、小さな町でも、サークル・一般参加者を集める方法を論じた事がある。
(参照・2008年09月24日付「地方開催同人誌即売会の告知方法」・2009年03月28日付「3/20 福井県敦賀市「BUTTERFLY」参加レポ」)
「よかコミ!」も、福江島内様々なお店にポスターを貼り、チラシを置いた。
カラオケボックスや道の駅、スーパーマーケットにコンビニ。本屋さんに喫茶店。
非同人系のお店ばかりだが(というか五島に同人のお店はない…)、人(特に若者)の集まりそうなお店に、積極的に広告を展開していった。
上記リンク先・敦賀市の取組と同じような方法で、地域に密着した形での告知を深耕させた。
そういう努力の甲斐あって、小さい島ながらも、地元民の同人者を掘り起こしていったのだろう。
(なお、島外には、アニメイトの長崎・佐世保両店。他、福岡・本州の一部同人店舗に展開していったようだ)
今年は更にサークル数が増え、28サークル・35スペース。
去年は「コミケットスペシャル」と被り、遠征クラスタの参加が見込めなかったが、今年は遠征好きのサークルが本州やら九州やらから集った分、上積みされた模様。
3連休中日という日程も、決して交通の便の良くない五島に、足を運びやすくする効果を生んだ、とも思う。
ジャンル分布としては、オリジナル8・刀剣乱舞4・ボカロ2・東方2。ご当地アニメ「ばらかもん」にも2サークルいる当たりに、五島列島らしさが出ている。
一般参加者は流石にそこまで増えず、初動30人程度。
最終的に何人来たかは不明だが、前回(去年)と同じぐらいじゃないかというお声も聞いた。たぶん、去年とほぼ同数じゃないかと思われる。
一般参加者層は、ほぼ全員島の方々。20代〜40代まで幅広く、親子連れでお越しの方もお見掛けする。
学生も決して少なくはなかったか。学生さんは、将来の島における同人活動の担い手となる方々。今回参加して刺激を受け、自分でも同人活動始めてみよう!となればしめたものである。
(なお、「よかコミ!」公式サイト内には、連載コラム「初めてサークル参加してみた!よかコミ!版 」という同人初心者向けのガイドも掲載されている。これから同人活動を始められる方、加えて同人活動に興味を持たれた方には、島の内外問わず是非ご一読いただく事をお勧めしたい。)
ただ、一般参加者数の割には、サークルとしての売れ行きが異様に良かった。ありがたくもあるが、同時に驚きも大きかった。
やはり、これまでは同人誌即売会が無かった地域。今回逃したら、次いつ本を買えるか分からない。そういう心理と、即売会への飢餓感とが、一般参加者の高い購入意欲をもたらしたのだろうか。素直に「ありがたい」と思った。
この即売会は、島民同士の交流を促す企画を充実させている点も特徴だ。
同人誌即売会での定番企画「落書きコーナー」は、常時何人かがイラスト描きに熱中する展開。
加えて、自ら撮ったフォトをボードに貼り付ける「よかフォトギャラリー」という企画も。フォトを通じた交流、という趣旨だろう。
フリードリンクコーナーは、近辺に飲料自販機のない環境故に大変ありがたい。コンビニ行けば飲料は手に入るだろうが、歩いて5分ぐらい掛かるので、会場内に飲み物があると助かるというのが本音。何故か、ドリンクコーナーの横には大量の少女漫画が備え付けられている。
また、「アニメグッズ交換BOX」なるものも用意されている。不要のアニメグッズを自由に交換できる「もったいない」精神溢れる展開。
まあ、島でアニメグッズなんてそう簡単には手に入らないもの…私もアイマス我那覇響のクリアファイルを頂戴した…って島外の自分がGETしても良かったのだろうか(汗)
「イラストコンテスト」も同人誌即売会での定番企画だが、投票用紙にコメントを記入させる形式。
優秀作品は表彰されるが、その際、記入されたお褒めのコメントも読み上げている。
このやり方だと、サークルのモチベーションも上がり、今後の同人活動継続にも繋がる。
こういう小さなひと工夫を加える事で、先の将来にも活きる。上手いやり方だと思う。
こうして楽しい時を過ごせた「よかコミ!」だが、後の課題は、今後も継続できるかどうか。
即売会は、主催の属人的な部分も大きい。立ち上げ当初の主催2人は、島外に遠征するサークル者。即売会に慣れてるからこそ、これまで即売会開催の無かった離島であっても、今までの経験を生かして即売会を立ち上げる事ができた。
一方、属人的な部分が大きいゆえ、主催が動けなくなると即売会も成り立たなくなる。主催の個人的な事情で、即売会が継続できなくなるケースも、これまで私は多々見てきた。
「よかコミ!」にとっての好材料は、島内創作者達による交流の場が生まれた事。
前年の「よかコミ!」開催を契機に、月一回ペースで活動する「五島漫研よかコミュ!」が発足。これまで皆バラバラに活動していた創作者達のコミュニティが、島に出来上がった。
島の仲間達皆で刺激し合うので、島での同人活動活性化にも繋がる。非常に良い流れだ。
今回の「よかコミ!」はこの「よかコミュ!」のメンバーを軸にした運営だ。
属人的な部分の大きい傾向のある同人誌即売会だが、コミュニティによる運営だと、誰が一人動けなくなっても、他のコミュニティメンバーのカバーが期待できる。その分、個人主催に比べ、即売会休止のリスクも低くなるし、皆の力を合わせて即売会運営も安定化する。
島の同人仲間が集ってまとまり、皆で力を合わせてイベントを開くという体制に進化した事で、「よかコミ!」は、(たぶん年1回ペースだろうが)今後の安定・継続開催も期待できる。
私も、スケジュールさえ合えば、次回以降も足を運んでみたいものである。
そんな中、私は敢えて長崎県は五島列島の同人誌即売会「よかコミ」に足を運んだ。
五島列島は、長崎や佐世保から船で西に約100km弱ぐらいの、西海に浮かぶ離島群。
風光明媚な風景だが、本土とはフェリーや高速船でのアクセスであるため、遠征好きの自分でも流石に骨が折れる。
今回、行きは博多・深夜発のフェリーで約8時間掛けて五島列島入り。帰りも、フェリーで3時間掛けて長崎市に戻ったぐらいだ。

そんなアクセス大変な離島・五島列島。長崎市に行けば同人誌即売会はあるだろうが、フェリーで片道3時間を要するので、中々足を運べない。正直、面倒くさい。
ならば島で同人誌即売会を開いてしまえ。
そういう思いから開催に至った即売会が、「よかコミ」である。

とは言え、五島列島に住む人の数も、そんな多いわけではない。
五島列島で一番人の集まる町は、福江島。港の周辺に繁華街・商店街も形成されそこそこの賑わいを見せているものの、福江島を市域とする五島市の人口は、僅か3万余り。
同人誌即売会を開くバックボーンなるべき「人口」が、極めて少ない(だからこそ各県で開催される同人誌即売会は、県の中心部である県庁所在都市での開催が多い)。
私が見た限り、聖地開催のオンリーイベント系はともかく、オールジャンル同人誌即売会では、人口6万の敦賀市や舞鶴市で継続し得る開催は確認しているが、それを下回る人口の町で継続開催し得るケースは殆ど皆無に等しいと見ている。
それでも、前回は18サークルが集い、170人が参加したとの事。
人口3万の福江島を舞台に、よくこれだけの同人者が集まったものだ、とも思うが、人口の少ない地方の町でも、一般参加者を集め、サークルを集めるに当たって、色々やりようはある。
昔、当ブログでは、福井県敦賀市で当時開催されていた同人誌即売会「BUTTERFLY」を事例に挙げ、小さな町でも、サークル・一般参加者を集める方法を論じた事がある。
(参照・2008年09月24日付「地方開催同人誌即売会の告知方法」・2009年03月28日付「3/20 福井県敦賀市「BUTTERFLY」参加レポ」)
「よかコミ!」も、福江島内様々なお店にポスターを貼り、チラシを置いた。
カラオケボックスや道の駅、スーパーマーケットにコンビニ。本屋さんに喫茶店。
非同人系のお店ばかりだが(というか五島に同人のお店はない…)、人(特に若者)の集まりそうなお店に、積極的に広告を展開していった。
上記リンク先・敦賀市の取組と同じような方法で、地域に密着した形での告知を深耕させた。
そういう努力の甲斐あって、小さい島ながらも、地元民の同人者を掘り起こしていったのだろう。
(なお、島外には、アニメイトの長崎・佐世保両店。他、福岡・本州の一部同人店舗に展開していったようだ)
今年は更にサークル数が増え、28サークル・35スペース。
去年は「コミケットスペシャル」と被り、遠征クラスタの参加が見込めなかったが、今年は遠征好きのサークルが本州やら九州やらから集った分、上積みされた模様。
3連休中日という日程も、決して交通の便の良くない五島に、足を運びやすくする効果を生んだ、とも思う。
ジャンル分布としては、オリジナル8・刀剣乱舞4・ボカロ2・東方2。ご当地アニメ「ばらかもん」にも2サークルいる当たりに、五島列島らしさが出ている。
一般参加者は流石にそこまで増えず、初動30人程度。
最終的に何人来たかは不明だが、前回(去年)と同じぐらいじゃないかというお声も聞いた。たぶん、去年とほぼ同数じゃないかと思われる。
一般参加者層は、ほぼ全員島の方々。20代〜40代まで幅広く、親子連れでお越しの方もお見掛けする。
学生も決して少なくはなかったか。学生さんは、将来の島における同人活動の担い手となる方々。今回参加して刺激を受け、自分でも同人活動始めてみよう!となればしめたものである。
(なお、「よかコミ!」公式サイト内には、連載コラム「初めてサークル参加してみた!よかコミ!版 」という同人初心者向けのガイドも掲載されている。これから同人活動を始められる方、加えて同人活動に興味を持たれた方には、島の内外問わず是非ご一読いただく事をお勧めしたい。)
ただ、一般参加者数の割には、サークルとしての売れ行きが異様に良かった。ありがたくもあるが、同時に驚きも大きかった。
やはり、これまでは同人誌即売会が無かった地域。今回逃したら、次いつ本を買えるか分からない。そういう心理と、即売会への飢餓感とが、一般参加者の高い購入意欲をもたらしたのだろうか。素直に「ありがたい」と思った。
この即売会は、島民同士の交流を促す企画を充実させている点も特徴だ。
同人誌即売会での定番企画「落書きコーナー」は、常時何人かがイラスト描きに熱中する展開。
加えて、自ら撮ったフォトをボードに貼り付ける「よかフォトギャラリー」という企画も。フォトを通じた交流、という趣旨だろう。
フリードリンクコーナーは、近辺に飲料自販機のない環境故に大変ありがたい。コンビニ行けば飲料は手に入るだろうが、歩いて5分ぐらい掛かるので、会場内に飲み物があると助かるというのが本音。何故か、ドリンクコーナーの横には大量の少女漫画が備え付けられている。
また、「アニメグッズ交換BOX」なるものも用意されている。不要のアニメグッズを自由に交換できる「もったいない」精神溢れる展開。
まあ、島でアニメグッズなんてそう簡単には手に入らないもの…私もアイマス我那覇響のクリアファイルを頂戴した…って島外の自分がGETしても良かったのだろうか(汗)
「イラストコンテスト」も同人誌即売会での定番企画だが、投票用紙にコメントを記入させる形式。
優秀作品は表彰されるが、その際、記入されたお褒めのコメントも読み上げている。
このやり方だと、サークルのモチベーションも上がり、今後の同人活動継続にも繋がる。
こういう小さなひと工夫を加える事で、先の将来にも活きる。上手いやり方だと思う。
こうして楽しい時を過ごせた「よかコミ!」だが、後の課題は、今後も継続できるかどうか。
即売会は、主催の属人的な部分も大きい。立ち上げ当初の主催2人は、島外に遠征するサークル者。即売会に慣れてるからこそ、これまで即売会開催の無かった離島であっても、今までの経験を生かして即売会を立ち上げる事ができた。
一方、属人的な部分が大きいゆえ、主催が動けなくなると即売会も成り立たなくなる。主催の個人的な事情で、即売会が継続できなくなるケースも、これまで私は多々見てきた。
「よかコミ!」にとっての好材料は、島内創作者達による交流の場が生まれた事。
前年の「よかコミ!」開催を契機に、月一回ペースで活動する「五島漫研よかコミュ!」が発足。これまで皆バラバラに活動していた創作者達のコミュニティが、島に出来上がった。
島の仲間達皆で刺激し合うので、島での同人活動活性化にも繋がる。非常に良い流れだ。
今回の「よかコミ!」はこの「よかコミュ!」のメンバーを軸にした運営だ。
属人的な部分の大きい傾向のある同人誌即売会だが、コミュニティによる運営だと、誰が一人動けなくなっても、他のコミュニティメンバーのカバーが期待できる。その分、個人主催に比べ、即売会休止のリスクも低くなるし、皆の力を合わせて即売会運営も安定化する。
島の同人仲間が集ってまとまり、皆で力を合わせてイベントを開くという体制に進化した事で、「よかコミ!」は、(たぶん年1回ペースだろうが)今後の安定・継続開催も期待できる。
私も、スケジュールさえ合えば、次回以降も足を運んでみたいものである。
五島列島ですか!旅好きな私としてはぜひ参加してみたいですね。
サークル数も関東近辺のイベントと遜色ないですし、主催者の努力がうかがえますね。
ところでコスプレの方は居ましたか?九州というととにかくコスプレ好きという印象があるので。