ここ数年来ご無沙汰していたが、久々に東北・仙台開催のオールジャンル同人誌即売会「杜の奇跡」にサークル参加参加させていただいた。
仙台周辺に行きたいスポットがだいぶ増えてたまっていた事もあり、そういうスポットへの観光を前日に済ませ、仙台駅近くに1泊。翌日の「杜の奇跡」に向かった。

この日の「杜の奇跡」は、通例のオールジャンル同人誌即売会としての開催に加え、東方オンリー「東方杜郷想4」と艦これオンリー「提督とズル休み」を併催。
さらに、他団体からの持ち込み企画のようだが、ぷよぷよプチオンリー「魔導師の宴」の「杜の奇跡」内開催も決定。
当初「杜の奇跡」は、今回を最終回と明言していたこともあり、これを惜しむ参加サークルからの申し込みが殺到。抽選で相当数のサークルを落とし(後に配置調整等で追加当選も実施)、最終的には211サークルの参加と相成った。

とは言え、これまで10数年にわたり開催し続けており、サークルからの支持も篤い。
サークル側からも、終わらせないでほしいとの声が続出したようで、一旦「休止」という扱いにしつつ、少し間を置いて今後も開催する、という方向に舵を切った模様だ。
待機列は、開場30分前時点で既に180人以上。その後も増え続けているはずだから、200〜300人ぐらいは行っているだろう。東日本大震災前の熱気を、取り戻しつつあるような印象。
開場後も熱気は相当で、13時を過ぎてようやくひと段落。とは言えその後もちょくちょく買い手の皆さんが訪れるので気は抜けない。他サークルへの用事を抱えていた身だが、14時頃になってようやく抜け出せるようになった、といったところ。

会場は、いつもの「仙台市情報・産業プラザ アエル」。
5階ホールはみっちり詰め込んで216sp。ここには、「杜の奇跡」「東方杜郷想」参加組を充てる。
最近は6階のセミナールームも借りて運用しているが、こちらにはオンリーイベントをあてがう。大きい部屋の方には「提督とズル休み」参加組を充て、58sp。
小さい部屋の方には、ぷよぷよプチオンリー「魔術師の宴」参加組を充て、10sp。フリーゲーム等の企画も充実していた。
1部屋1オンリーという形式にしているので、その小部屋の中は、同じジャンルのサークルばかり、となる。合同開催にありがちな「オンリーイベントとしての一体感の喪失」というデメリットは相当軽減されたと思う。
アエルの6階は、プチオンリーの同時併催に向いているつくりなのでは?とも感じた。

ジャンル傾向としては、オンリーイベントにカウントされるジャンルは、ぷよぷよ10sp・艦これ60sp・東方124sp
…相変わらず東方ジャンルは健在であるw
オールジャンルでは艦これの後塵を拝する事も決して珍しくは無くなったが(東方と艦これを兼任してるサークルが、艦これでの参加を選ぶことも多い)、仙台に関しては、東方を選ぶサークルが多いのだろう。

オンリーイベントにカウントされないジャンルとしては、アイマス14sp・ラブライブ!7spとアイドル系の両ジャンルが強い。何故か、評論・情報系で10spというよく分からない展開もw
この他、東北「ならでは」のジャンルとしては、WUG(Wake Up Girls!)で7sp。東北ずん子で4spといった所。ずん子はアニメ化すれば同人熱ももっと上がりそうな気がするなあ(某所をチラ見)

カタログには「サークル地方分布図」というものが掲載されている。
サークルがどこから来たかがを示すものだが、申込260サークル(落選・不備含む)の内、東北・関東・その他の比率が5:4:1ぐらい。
宮城県が全体の約3分の1に当たる85サークル。仙台市はその中の52サークル。
このイベントが、地元人に支持されているイベントであると共に、首都圏のサークルにも支持されているイベントたる事が伺える。


13時30分から、恒例のドリンクサービス。数種類のドリンクの中から2本チョイスできるのだが、どいつもこいつもロクでも無いラインナップなのが特色。
今回自分は、「鰻コーラ」「金沢カレーコーラ」を選択。

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(自分は今回見合わせたが、沖縄産のライス飲料「ミキ」もけっこう人気だった模様。それと、「とても衛生的な紙コップ」とやらに注がれるりんごジュースに関しては、別の意味で嫌な予感しか漂わない…)

「金沢カレーコーラ」は、はじける炭酸が醸し出す香りがカレーという展開。炭酸のカレー臭が飲むのに辛かったw
鰻コーラは、うなぎエキスを用いたコーラという触れ込みだが、余りウナギっぽさは感じず、普通に飲める。少し自分的には期待外れだったかもw
しかしながら、サークルの頒布がひと段落着いて、少し退屈し始めた当たりで企画を投入、というタイミングの上手さは流石である。


とこんな感じで、賑わいつつも、いつも通りの安定した運営で「杜の奇跡」は無事終了。
「杜の奇跡」自体については、今回こそヤマト運輸からの宅配搬入荷物到着が遅れるというアクシデントに見舞われたものの、それ以外は特に大きな問題にも見舞われなかった。総じて見て、安心して参加できる即売会であったと思う。

寧ろこの即売会がらみの問題は、「杜の奇跡」そのものよりも、その周辺環境なのかもしれない。
今回一旦は「最終回」を決めた「杜の奇跡」だが、多くの人が中止を惜しんだ結果、結果「休止」扱いに変更した。
何故皆が引き留めたのか。「良いイベントだから」というのもあろうが、地域民にとっては(男性向け系統のジャンルが地元に出られるイベントという意味で)「他にイベントが無いから」という点も大きいだろう。
他所の地域であれば、他にオールジャンルなりオンリーなり立ち上がっても決しておかしくはないのだが、東北はそれが無い。「杜」の出来が良すぎるから、「杜」以外のイベントが勃興する余地も生まれにくい。
だからこそ「杜以外に即売会が無い」という状況に陥り、いざ「杜」を終了する段になって、反対を多数受けるのである。

「杜」には続いてほしいとは思うが、一方で「杜」以外の即売会が立ち上がる事で、この地域の同人誌即売会に「厚み」が出ても良いのではないかと思う。
ールジャンル「仙台コミケ」も健在だし、昨年は白石市(東北ずん子オンリー)、今夏は仙台市内(WUGオンリー)が開催。秋には「オリジナル」+「東北ずん子」という変わった形態での同人誌即売会も生まれ、少し風向きが変わってきたかもしれない。
微力ではあるが、こういった「杜」以外の即売会も可能な限り応援し、東北同人界隈の「厚み」を持たせられるよう力添えが出来れば…との思いも抱いた。