近年、都内開催の「文学フリマ」が、飛躍的に規模を拡大させている。(2015年5月開催時は700サークル超)
また、「文学フリマ百都市構想」の名の下全国展開を図り、各地域ともサークルの集まりは上々だ。
昨年も「文学フリマ」にサークル参加したが、その盛況ぶりは目を見張るものがあった。
「文学フリマ」以外の文芸系同人誌即売会も、少し出始めており、「福岡ポエイチ」「静岡文学マルシェ」「尼崎文学だらけ」の即売会が登場。どれも順当に参加者を集めている。
明らかに、文芸同人の裾野は、これまでにない広がりを見せている。
「Text-Revolutions」(以下「テキレボ」と表記)は、2015年春に立ち上がった文芸系中心の同人誌即売会。春・秋の年2回開催で、2016年秋開催の今回で4回目となる。
驚くべきはサークル数の急増ぶりだ。初回115サークル(委託含む)で始まったものの、その後右肩上がり。133サークル、172サークルと続き、今回は委託含め196サークルに達した。
確かに文芸系同人の裾野の広がりは著しいが、それにしてもこの躍進ぶりは凄い。気になるイベントということで、サークルとして参加することにした。
また、「文学フリマ百都市構想」の名の下全国展開を図り、各地域ともサークルの集まりは上々だ。
昨年も「文学フリマ」にサークル参加したが、その盛況ぶりは目を見張るものがあった。
「文学フリマ」以外の文芸系同人誌即売会も、少し出始めており、「福岡ポエイチ」「静岡文学マルシェ」「尼崎文学だらけ」の即売会が登場。どれも順当に参加者を集めている。
明らかに、文芸同人の裾野は、これまでにない広がりを見せている。
「Text-Revolutions」(以下「テキレボ」と表記)は、2015年春に立ち上がった文芸系中心の同人誌即売会。春・秋の年2回開催で、2016年秋開催の今回で4回目となる。
驚くべきはサークル数の急増ぶりだ。初回115サークル(委託含む)で始まったものの、その後右肩上がり。133サークル、172サークルと続き、今回は委託含め196サークルに達した。
確かに文芸系同人の裾野の広がりは著しいが、それにしてもこの躍進ぶりは凄い。気になるイベントということで、サークルとして参加することにした。
とは言え、参加はしてみたものの、一般参加者が全然来ねえw来ねえw
初動も50人いるかどうかのレベだったので、まあこんなもんだろ、とも思ったが、開場してから2時間近く買い手さんが寄り付かぬ状況は堪えるw
お陰で、ヒマに任せてやってた艦これの日課と原稿がはかどるはかどるw
常連サークルさんに言わせると、「これでも前回より人が来ている」ということらしい…マジかよw
幸いにも、この日は会場(都産業貿易センター台東館)上下のフロアで「ふたけっと」「ショタスクラッチ」という大きなお友達が多数集う即売会が存在。そこでの買い物がひと段落着いた時間帯…13時過ぎから来場者が増え、そこそこ買い手の方もお立ち寄りいただき売上的にも持ち直したものの、それが無かったらどうなっていたことか…
だがしかし、それでも売り上げがそれなりに上がっているサークルさんも、常連中心に少なからずいらっしゃるようで。これはどういうことか。
この一見不思議な現象の理由は、恐らく「テキレボ」独特のサービス「スタッフお買い物代行サービス」であろう。
遠隔地居住・所用などで会場に足を運べない人向けに、主催にサークル購入リストを事前に提出&代金振り込み。当日はスタッフが購入し、後日依頼主に発送するというシステムだ。
このサービスで購入する人も少なからずいるため、それが当日来場者数の割にサークルの売り上げが好調な理由なのだろう。
逆に言えば、「スタッフお買い物代行サービス」の制度をうまく活用しないと、サークルは売り上げが上がらず苦労する、ということも言えるだろう。
「スタッフお買い物代行サービス」は、webカタログに各サークルが頒布内容を登録。
その内容を基に主催は、代行サービス対象アイテムのリストを、代行サービス利用希望者にお知らせ。そのリストを基に、買い手は主催側に購入を依頼する、という仕組みだ。
つまり、サークルがスタッフお買い物代行サービスの恩恵を受けたければ、webカタログへの購入が必須、ということでもある。
ただ今回は、webカタログのオープンが9月16日。
んで、手元のお知らせメールには「代行サービス利用者へ配布されるリストは9/18 23:59までにカタログに登録されているアイテムリストにて作成いたします。」とある。
この2日のタイムラグの間に、webカタログを登録せねば、代行サービスの恩恵には与れない。
常連サークルはそういうシステムなのを承知しているから、その短い期間に登録を済ませ、「スタッフお買い物代行サービス」対象者にアピールできるだろう。
だが、そのシステムを理解しない新参者は、「スタッフお買い物代行サービス」の恩恵を受けられない。常連サークルに比べ、大きく後れを取ってしまう不利は否めない。
私も、他サークルから「webカタログは重要」だと言われ登録こそしたものの、「スタッフお買い物代行サービス」の重要性までは認識しておらず。webカタログ登録も9月下旬まで先送りしてしまった…(汗)
サークルの中でも、常連と新参に格差が生まれてしまう点は、決してよろしいこととは言えない。新参サークルへ「お買い物代行サービス」の重要性を周知徹底させる、お買い物代行サービスリストの締め日にもう少し余裕持たせるなど、新参へのフォローを図り、常連と新参との格差を縮める取組が必要だろう。
他、「テキレボ」のユニークな点としては、企画群の多さである。
主催側も、公式アンソロジー本の刊行・公式グッズンの販売などの企画をを行なってはいるが、大半がサークルからの持ち込み企画だ。
主に自サークルを「本部」にしての企画が多いが、百合マップの作成・配布、ポストカードラリーにキャラクター占いと多種多様だ。
ステージを借りての、作品朗読会なんて企画もある(ただ音量が少しうるさかったので、朗読側も声のトーンを降ろし、主催も音響の調節を行うなどの配慮は必要だったと思うが)。
20近くに及ぶ企画の大半が、サークルからの企画だ。サークル(特に常連)の参加意欲、非常に高いことが伺えよう。
(余談だが、主催側の企画「公式アンソロ」には、実に103作品が参加。サークル数ベースでも推定だが70〜80サークルはいるだろう。各サークル、特に常連サークルの、テキレボのへの参加意欲の高さが、ここからも伺える)
また、目についたのは主催のキャラクターである。
人見知りせず、多くの参加者とフランクに会話。参加サークルとの人間関係をうまく構築している。
イベント終了後の打ち上げでは、実に80人もの参加者が集っているが、これも主催が、参加サークルの多くと人間関係を構築しているからこその賜物だと思う。
もう3年前になるが、とある騒動に関連し、サークル目線から同人誌即売会を論じた記事があり、それが私の心に今も尚残っている。
「自分たちの作品に興味のない人間のやるイベントに、多くのサークルは興味を持ちません」
「サークルの方を見ない「同人誌即売会」に、サークルはなんの魅力も感じないのです」
主催が、サークルに興味を持って、そのサークルと積極的に話をしてくれる。そういう中から人間関係が構築されるものだ。
人間関係が出来上がれば、じゃああいつのイベントに参加してやろうか、的な気持ちもより強くなるだろう。
他所のイベントの話をするが、同人イベント主催団体「SDF」は、北は仙台から南は沖縄まで、艦これ聖地も含め日本中様々な箇所で同人誌即売会を開催する。その中には、遠隔地や不便な場所など、参加に二の足を踏むスポットも少なくない。
にもかかわらず、一定数のサークルは付いてくる。
イベントによっては聖地効果もあるだろうが、これはやはり、サークルとの個人的な友誼・交友関係が出来上がっているからだろう。
「テキレボ」についても、似たようなことが言えると思う。
サークルとの人間関係を構築できているから、その人間関係が参加の決断を後押しし、二度三度参加するリピーターも、決して少なくはない。
「テキレボ」の参加サークルが増え続けている理由は、ここに求められると思う。
まとめると、「テキレボ」は主催のキャラクターがあって、参加者との人間関係を構築。これがリピーター率の高さ・サークル参加数の増加傾向や、打ち上げ宴会の参加者の多さ、サークルの参加意欲の高さなどに繋がっている。
常連が多いので、一見安泰に見えるだろう。
しかしその一方、「スタッフお買い物代行サービス」や「webカタログ」の重要性は、常連以外、というか新参サークルにはなかなか伝わらない。となると売り上げも常連に比べ厳しくなり、リピーター化を阻んでしまう。
一回常連になってしまえば「こっちのもの」なのかもしれないが、新参者には敷居が高いのは間違いなく、そこに至るまでに「テキレホ」を撤退してしまう人もいるだろう。
常連の囲い込みには成功しているもの、新参の取込が不足気味。これが今後の「テキレボ」における課題となるだろう。
初動も50人いるかどうかのレベだったので、まあこんなもんだろ、とも思ったが、開場してから2時間近く買い手さんが寄り付かぬ状況は堪えるw
お陰で、ヒマに任せてやってた艦これの日課と原稿がはかどるはかどるw
常連サークルさんに言わせると、「これでも前回より人が来ている」ということらしい…マジかよw
幸いにも、この日は会場(都産業貿易センター台東館)上下のフロアで「ふたけっと」「ショタスクラッチ」という大きなお友達が多数集う即売会が存在。そこでの買い物がひと段落着いた時間帯…13時過ぎから来場者が増え、そこそこ買い手の方もお立ち寄りいただき売上的にも持ち直したものの、それが無かったらどうなっていたことか…
だがしかし、それでも売り上げがそれなりに上がっているサークルさんも、常連中心に少なからずいらっしゃるようで。これはどういうことか。
この一見不思議な現象の理由は、恐らく「テキレボ」独特のサービス「スタッフお買い物代行サービス」であろう。
遠隔地居住・所用などで会場に足を運べない人向けに、主催にサークル購入リストを事前に提出&代金振り込み。当日はスタッフが購入し、後日依頼主に発送するというシステムだ。
このサービスで購入する人も少なからずいるため、それが当日来場者数の割にサークルの売り上げが好調な理由なのだろう。
逆に言えば、「スタッフお買い物代行サービス」の制度をうまく活用しないと、サークルは売り上げが上がらず苦労する、ということも言えるだろう。
「スタッフお買い物代行サービス」は、webカタログに各サークルが頒布内容を登録。
その内容を基に主催は、代行サービス対象アイテムのリストを、代行サービス利用希望者にお知らせ。そのリストを基に、買い手は主催側に購入を依頼する、という仕組みだ。
つまり、サークルがスタッフお買い物代行サービスの恩恵を受けたければ、webカタログへの購入が必須、ということでもある。
ただ今回は、webカタログのオープンが9月16日。
んで、手元のお知らせメールには「代行サービス利用者へ配布されるリストは9/18 23:59までにカタログに登録されているアイテムリストにて作成いたします。」とある。
この2日のタイムラグの間に、webカタログを登録せねば、代行サービスの恩恵には与れない。
常連サークルはそういうシステムなのを承知しているから、その短い期間に登録を済ませ、「スタッフお買い物代行サービス」対象者にアピールできるだろう。
だが、そのシステムを理解しない新参者は、「スタッフお買い物代行サービス」の恩恵を受けられない。常連サークルに比べ、大きく後れを取ってしまう不利は否めない。
私も、他サークルから「webカタログは重要」だと言われ登録こそしたものの、「スタッフお買い物代行サービス」の重要性までは認識しておらず。webカタログ登録も9月下旬まで先送りしてしまった…(汗)
サークルの中でも、常連と新参に格差が生まれてしまう点は、決してよろしいこととは言えない。新参サークルへ「お買い物代行サービス」の重要性を周知徹底させる、お買い物代行サービスリストの締め日にもう少し余裕持たせるなど、新参へのフォローを図り、常連と新参との格差を縮める取組が必要だろう。
他、「テキレボ」のユニークな点としては、企画群の多さである。
主催側も、公式アンソロジー本の刊行・公式グッズンの販売などの企画をを行なってはいるが、大半がサークルからの持ち込み企画だ。
主に自サークルを「本部」にしての企画が多いが、百合マップの作成・配布、ポストカードラリーにキャラクター占いと多種多様だ。
ステージを借りての、作品朗読会なんて企画もある(ただ音量が少しうるさかったので、朗読側も声のトーンを降ろし、主催も音響の調節を行うなどの配慮は必要だったと思うが)。
20近くに及ぶ企画の大半が、サークルからの企画だ。サークル(特に常連)の参加意欲、非常に高いことが伺えよう。
(余談だが、主催側の企画「公式アンソロ」には、実に103作品が参加。サークル数ベースでも推定だが70〜80サークルはいるだろう。各サークル、特に常連サークルの、テキレボのへの参加意欲の高さが、ここからも伺える)
また、目についたのは主催のキャラクターである。
人見知りせず、多くの参加者とフランクに会話。参加サークルとの人間関係をうまく構築している。
イベント終了後の打ち上げでは、実に80人もの参加者が集っているが、これも主催が、参加サークルの多くと人間関係を構築しているからこその賜物だと思う。
もう3年前になるが、とある騒動に関連し、サークル目線から同人誌即売会を論じた記事があり、それが私の心に今も尚残っている。
「自分たちの作品に興味のない人間のやるイベントに、多くのサークルは興味を持ちません」
「サークルの方を見ない「同人誌即売会」に、サークルはなんの魅力も感じないのです」
主催が、サークルに興味を持って、そのサークルと積極的に話をしてくれる。そういう中から人間関係が構築されるものだ。
人間関係が出来上がれば、じゃああいつのイベントに参加してやろうか、的な気持ちもより強くなるだろう。
他所のイベントの話をするが、同人イベント主催団体「SDF」は、北は仙台から南は沖縄まで、艦これ聖地も含め日本中様々な箇所で同人誌即売会を開催する。その中には、遠隔地や不便な場所など、参加に二の足を踏むスポットも少なくない。
にもかかわらず、一定数のサークルは付いてくる。
イベントによっては聖地効果もあるだろうが、これはやはり、サークルとの個人的な友誼・交友関係が出来上がっているからだろう。
「テキレボ」についても、似たようなことが言えると思う。
サークルとの人間関係を構築できているから、その人間関係が参加の決断を後押しし、二度三度参加するリピーターも、決して少なくはない。
「テキレボ」の参加サークルが増え続けている理由は、ここに求められると思う。
まとめると、「テキレボ」は主催のキャラクターがあって、参加者との人間関係を構築。これがリピーター率の高さ・サークル参加数の増加傾向や、打ち上げ宴会の参加者の多さ、サークルの参加意欲の高さなどに繋がっている。
常連が多いので、一見安泰に見えるだろう。
しかしその一方、「スタッフお買い物代行サービス」や「webカタログ」の重要性は、常連以外、というか新参サークルにはなかなか伝わらない。となると売り上げも常連に比べ厳しくなり、リピーター化を阻んでしまう。
一回常連になってしまえば「こっちのもの」なのかもしれないが、新参者には敷居が高いのは間違いなく、そこに至るまでに「テキレホ」を撤退してしまう人もいるだろう。
常連の囲い込みには成功しているもの、新参の取込が不足気味。これが今後の「テキレボ」における課題となるだろう。