先日、福井の同人誌即売会「がーでんえふ」に参加したが、その折に、「文学フリマ金沢」(2017年4月開催済み)の過去カタログを入手した。
この手のカタログ、即売会が終われば用済みとなるため、無料配布しているケースが多い。
しかし、当サークルのような評論・研究等の活動を行っている人間としては、たとえ過去のカタログであっても…いや、過去のカタログだからこそ、「宝の山」とも言える情報源として、非常に有用だ。
文芸系即売会として、昨今全国展開に積極的な姿勢を見せる、サークル数も上昇傾向。「文学フリマ」は、今最も勢いのある即売会の一つだろう。
金沢開催の「文学フリマ」も、2017年4月に3回目の開催に突入。サークル数も100サークルに達し、勢いを今も尚維持し続けている。
カタログを拝見するに、通常の即売会に加え、小部屋を活用する形でのトークセッション、そして「歌会セッション」なるものも登場。
巨大化した東京の文学フリマではできない企画。比較的規模の小さい「金沢」だからこそ成しえた企画であろうし、文学系即売会にふさわしい企画でもある、と感じた。
この手のカタログ、即売会が終われば用済みとなるため、無料配布しているケースが多い。
しかし、当サークルのような評論・研究等の活動を行っている人間としては、たとえ過去のカタログであっても…いや、過去のカタログだからこそ、「宝の山」とも言える情報源として、非常に有用だ。
文芸系即売会として、昨今全国展開に積極的な姿勢を見せる、サークル数も上昇傾向。「文学フリマ」は、今最も勢いのある即売会の一つだろう。
金沢開催の「文学フリマ」も、2017年4月に3回目の開催に突入。サークル数も100サークルに達し、勢いを今も尚維持し続けている。
カタログを拝見するに、通常の即売会に加え、小部屋を活用する形でのトークセッション、そして「歌会セッション」なるものも登場。
巨大化した東京の文学フリマではできない企画。比較的規模の小さい「金沢」だからこそ成しえた企画であろうし、文学系即売会にふさわしい企画でもある、と感じた。
興味深かったのは、巻末に掲載されている「チラシ配布・告知協力店舗一覧」のページだ。
ここには、チラシなどの告知に協力してくれたお店やイベントが列記されている。
即売会での告知としては、昨年2016年秋開催の「そうさく畑FINAL」や、各地の文学フリマ、「Text-Revolutions」「静岡文学マルシェ」のような同じ文学系の即売会で告知に励んでいる。このあたりは、よくある告知の基本パターンであり、告知の基本を踏襲されているとも言えるだろう。
注目すべきは、それ以外のスポットなのだが、これが極めて多岐に渡っている。
これは文学系即売会、という特性ゆえの告知なのだろうが、文学系の記念館・博物館での告知が、非常に多い。
石川県内ならば、泉鏡花記念館・室生犀星記念館・千代女の里俳句館など。富山県ならば、高志の国文学館など。福井県なら、福井県ふるさと文学館など。この手の施設で、北陸三県10以上が確認できる。
図書館への告知の多さも特徴だ。
石川県ならば、石川県立図書館・輪島市立図書館・海みらい図書館など。富山は、黒部市立図書館・とやま駅南図書館。福井は、中野重治文庫記念丸岡図書館といったところか。
これ以外にも、博物館・大学の文学部・書店・喫茶店・美術館・道の駅・町中のコミュニティセンターなど、人の集まりそうなところに小まめに告知を掛けている点がポイントだ。
変わった所では、「湯涌温泉総湯白鷺の湯」「のと鉄道能登中島駅」にも告知を掛けている。
学校の文化祭・演奏会等の告知方法に近く、地域のお祭り・地域のイベントとしての位置付けという雰囲気。「地域密着」の告知、という感がある。
もちろん、文学館だの図書館だのといった告知先は、文学系即売会ならではの告知先。一般のオールジャンル同人誌即売会で同じような真似はなじまないだろう。
ただ、地域密着の細やか・小まめな告知を通じ、新規の来場者を掘り起こそうとする「文学フリマ金沢」の姿勢は、他の同人誌即売会も見習って然るべきだろう。
先日私は、2017年09月12日付記事『【他地域の即売会関係者も必見】長野県内における同人誌即売会の現況を論ずる』にて、参加者「新規開拓」の重要性を論じた。
そして新規開拓を実現させるためには、地域に根差した細やかな告知が必要であることを、他所の地域における即売会成功事例を交えながら論じさせていただいた。
「文学フリマ金沢」の細やかな告知は、その時に私が申し上げたかった内容を、実際に実行に移したものとして、注目に値すると考える。
「文学フリマ金沢」が100サークルを越え好調な理由は、文学系即売会に吹く「追い風」だけではない。地域に根差した、どぶ板営業のごとき小まめな告知も、「文学フリマ金沢」の好調に、大いに寄与しているはずである。
自分も、この即売会は非常に注目すべき存在として、今後のサークル参加も真剣に検討させていただきたい。そのように感ずる次第である。
ここには、チラシなどの告知に協力してくれたお店やイベントが列記されている。
即売会での告知としては、昨年2016年秋開催の「そうさく畑FINAL」や、各地の文学フリマ、「Text-Revolutions」「静岡文学マルシェ」のような同じ文学系の即売会で告知に励んでいる。このあたりは、よくある告知の基本パターンであり、告知の基本を踏襲されているとも言えるだろう。
注目すべきは、それ以外のスポットなのだが、これが極めて多岐に渡っている。
これは文学系即売会、という特性ゆえの告知なのだろうが、文学系の記念館・博物館での告知が、非常に多い。
石川県内ならば、泉鏡花記念館・室生犀星記念館・千代女の里俳句館など。富山県ならば、高志の国文学館など。福井県なら、福井県ふるさと文学館など。この手の施設で、北陸三県10以上が確認できる。
図書館への告知の多さも特徴だ。
石川県ならば、石川県立図書館・輪島市立図書館・海みらい図書館など。富山は、黒部市立図書館・とやま駅南図書館。福井は、中野重治文庫記念丸岡図書館といったところか。
これ以外にも、博物館・大学の文学部・書店・喫茶店・美術館・道の駅・町中のコミュニティセンターなど、人の集まりそうなところに小まめに告知を掛けている点がポイントだ。
変わった所では、「湯涌温泉総湯白鷺の湯」「のと鉄道能登中島駅」にも告知を掛けている。
学校の文化祭・演奏会等の告知方法に近く、地域のお祭り・地域のイベントとしての位置付けという雰囲気。「地域密着」の告知、という感がある。
もちろん、文学館だの図書館だのといった告知先は、文学系即売会ならではの告知先。一般のオールジャンル同人誌即売会で同じような真似はなじまないだろう。
ただ、地域密着の細やか・小まめな告知を通じ、新規の来場者を掘り起こそうとする「文学フリマ金沢」の姿勢は、他の同人誌即売会も見習って然るべきだろう。
先日私は、2017年09月12日付記事『【他地域の即売会関係者も必見】長野県内における同人誌即売会の現況を論ずる』にて、参加者「新規開拓」の重要性を論じた。
そして新規開拓を実現させるためには、地域に根差した細やかな告知が必要であることを、他所の地域における即売会成功事例を交えながら論じさせていただいた。
「文学フリマ金沢」の細やかな告知は、その時に私が申し上げたかった内容を、実際に実行に移したものとして、注目に値すると考える。
「文学フリマ金沢」が100サークルを越え好調な理由は、文学系即売会に吹く「追い風」だけではない。地域に根差した、どぶ板営業のごとき小まめな告知も、「文学フリマ金沢」の好調に、大いに寄与しているはずである。
自分も、この即売会は非常に注目すべき存在として、今後のサークル参加も真剣に検討させていただきたい。そのように感ずる次第である。