宮崎県の同人誌即売会は、過去筆者も何度か参加させていただいた。
数年前、宮崎市内の同人誌即売会にサークル参加したし、昨年は、日向市の同人誌即売会に一般で参加した(サークル参加は締め切られたので一般に切り替え)。
ただ、宮崎県の同人界は、県内第二の都市・都城市の勢いが伝統的に強い。宮崎市や日向市で即売会が途絶えた時でも、都城市の即売会だけは健在だったこともある。これまで都城の即売会には足を運んでなかったが、今回機を見つけサークルとして馳せ参じた。
◆◆目次◆◆
1.宮崎県内の同人誌即売会 概要
2.「みやけっと」当日の様子
3.宮崎県内・同人の潜在的ニーズは侮れない
まだ史料も充分とは言えず、不充分な点や抜け落ちも有り得る。その点はご容赦いただきたい。
1990年代の即売会開催史を紐解くと、都城での即売会は余り確認取れず。宮崎市開催のものが多かったように思う。
他県から進出してきた即売会も、スタジオYOUの全国展開、福岡から進出の「コミックネットワーク」、鹿児島からの進出の「夢彗星」主催イベント…皆、宮崎市の「宮崎県教育会館」を会場にしていた。
都城での即売会は、21世紀以降目立つようになってきた。
2000年代初頭には「CORRUPT★MASTER'S」が登場。その後、2005年以降「COMIC PRIMARY」という即売会が開催。ここは結構長寿で、2010年近くまで継続している。
また、2007年頃より「新たなる真骨頂を求めて」も登場。これは後に「更なる真骨頂を求めて」と改称しつつ、2013年まで続いている。
この間、宮崎市や日向市では即売会空白の時期も存在したが、都城に関しては空白期が存在しない。常時、誰かしらが何かの即売会を開いている状態。県内唯一の即売会が都城、という時すらも存在している。
「更なる真骨頂を求めて」は2013年頃に休止したようだが、これと入れ替わりに登場した即売会が、今回サークル参加した「みやけっと」である。
会場は、都城市中心部の公共施設「都城ウエルネスプラザ」。
市中心部のロケーションだが、この市の中心部は、都城駅から南に2〜3kmと離れている。比較的近いのは隣の西都城駅だが、そこからも東に1kmちょい(徒歩約15分)。
どうやってアクセスするか悩んだが、帰りの飛行機のスケジュールも勘案する中、宮崎空港・宮崎市街地直結のバス路線が、会場近くの「市図書館前」バス停を通ることを確認。というわけで往復共にこの都市間高速バスを利用することに。
行きは宮崎駅からバスに乗車。宮崎空港や宮崎自動車道を経由し、約1時間半の行程。
朝8時30分に宮崎駅前を出て、10時には会場近くの図書館前バス停に下車。そこから歩いて数分で、会場の「都城ウエルネスプラザ」に到着。アクセス的には特に不便はしなかった。
サークルは今回も(というかほぼ毎回だが…)、募集50spが満了。
コスプレも事前エントリー制だが、募集枠100人が満了する展開。
一般参加者もそれなりに押し寄せ(恐らくサークル数の4〜6倍程度は来ていたのではないか)、閑散とした雰囲気は全くなく、常時人で賑わっていた。
流石、県内では唯一、絶え間なく即売会が続いていた町だけあって、その熱気は相当だ。
一般参加者は、男女比2:8ぐらいで、地場の即売会にしては男性陣も多い。
男性陣は、地元在住のベテラン勢・古参勢も多いのかな?とお見受けした。
一方女性陣の一般参加は、学生さんなど若手の比率が高い印象。
サークルの参加層は、一般参加に比べもう少し上の世代。20〜30代が多い。
また、一般参加者に比べ女性比率も高く、95%以上が女性の売り子だ。
頒布物も、アクセサリー・ポストカード等の小物類が多いのはいつものことだが、オールカラー本を出すなどして頑張っている同人誌サークルも。
ジャンル傾向としては、刀剣乱舞・FGOが共に9サークルで突出。次いで、アイドルマスターSideMが5サークル、といったところか。
FGOは、男性向け文脈において、コミックマーケットで大量のエロいのが出るのを除けば、オンリーイベントも比較的勢いに弱い。一方、女性向け文脈はスタジオYOUの「王の器」が堅調。元々Fateシリーズは、女性向け文脈の強さが目立っていたが、FGOに入っても女性向け文脈の強さは衰えていないようだ。
13時以降、イベント等のアピールタイム、次いでじゃんけん大会が実施された。
となると当然、その周辺に皆が集まる傾向に…ただ、この時当サークルのスペースが人だかりで占拠されたのは閉口。これに対し運営側も列整理等に動いておらず、こちらとしては為す術の無い状況。
もう少し、周辺サークルへの影響を考慮し、然るべきケアやフォローを図っていただきたいものである。
なお、パンフレット等を見ると、「都城ミュージカルクラブ」という地場の劇団が共催に名を連ねている。
これは中の人が同一であるがゆえ、と考えられよう。
元々「劇」という切り口から地域活性化・文化醸成に努めておられたようだが、その活動の延長線上で「サブカルチャー」的な切り口からの取組が、「みやけっと」とも言えるだろう。
現在、宮崎県内の同人誌即売会を見ると、この都城以外では、宮崎市(市中心部ではなく青島地域だが…)及び日向市で即売会が続いている。
特筆すべきは、県内どの即売会も皆、サークルスペース「満了」を出しているところ。締切を前倒しする即売会も、決して珍しくはない。オールジャンルの同人誌即売会が都心・地方問わず低落傾向の中、宮崎県内は一線を画している。
もっとも、キャパシティにすればどこの会場も50sp程度なので、そんな大きい規模でもないだろうが…
それでも、キャパシティを満たしきれないだけの同人者が宮崎にはいる、ということ。それだけの潜在的ニーズが存在する、ということでもある。このニーズが、即売会を開催し続けられるだけの原動力、とも言える。
流石に規模拡張までは難しいかもしれないが、それでも、即売会の存在を求め、楽しみにしている人々は一定数存在していることは間違いない。
そういう県内同人者の想いを胸に、今後も即売会という「場」の提供に努めていただけるよう、筆者は願っている。
数年前、宮崎市内の同人誌即売会にサークル参加したし、昨年は、日向市の同人誌即売会に一般で参加した(サークル参加は締め切られたので一般に切り替え)。
ただ、宮崎県の同人界は、県内第二の都市・都城市の勢いが伝統的に強い。宮崎市や日向市で即売会が途絶えた時でも、都城市の即売会だけは健在だったこともある。これまで都城の即売会には足を運んでなかったが、今回機を見つけサークルとして馳せ参じた。
◆◆目次◆◆
1.宮崎県内の同人誌即売会 概要
2.「みやけっと」当日の様子
3.宮崎県内・同人の潜在的ニーズは侮れない
- 1.宮崎県内の同人誌即売会 概要
まだ史料も充分とは言えず、不充分な点や抜け落ちも有り得る。その点はご容赦いただきたい。
1990年代の即売会開催史を紐解くと、都城での即売会は余り確認取れず。宮崎市開催のものが多かったように思う。
他県から進出してきた即売会も、スタジオYOUの全国展開、福岡から進出の「コミックネットワーク」、鹿児島からの進出の「夢彗星」主催イベント…皆、宮崎市の「宮崎県教育会館」を会場にしていた。
都城での即売会は、21世紀以降目立つようになってきた。
2000年代初頭には「CORRUPT★MASTER'S」が登場。その後、2005年以降「COMIC PRIMARY」という即売会が開催。ここは結構長寿で、2010年近くまで継続している。
また、2007年頃より「新たなる真骨頂を求めて」も登場。これは後に「更なる真骨頂を求めて」と改称しつつ、2013年まで続いている。
この間、宮崎市や日向市では即売会空白の時期も存在したが、都城に関しては空白期が存在しない。常時、誰かしらが何かの即売会を開いている状態。県内唯一の即売会が都城、という時すらも存在している。
「更なる真骨頂を求めて」は2013年頃に休止したようだが、これと入れ替わりに登場した即売会が、今回サークル参加した「みやけっと」である。
- 2.「みやけっと」当日の様子
会場は、都城市中心部の公共施設「都城ウエルネスプラザ」。
市中心部のロケーションだが、この市の中心部は、都城駅から南に2〜3kmと離れている。比較的近いのは隣の西都城駅だが、そこからも東に1kmちょい(徒歩約15分)。
どうやってアクセスするか悩んだが、帰りの飛行機のスケジュールも勘案する中、宮崎空港・宮崎市街地直結のバス路線が、会場近くの「市図書館前」バス停を通ることを確認。というわけで往復共にこの都市間高速バスを利用することに。
行きは宮崎駅からバスに乗車。宮崎空港や宮崎自動車道を経由し、約1時間半の行程。
朝8時30分に宮崎駅前を出て、10時には会場近くの図書館前バス停に下車。そこから歩いて数分で、会場の「都城ウエルネスプラザ」に到着。アクセス的には特に不便はしなかった。
サークルは今回も(というかほぼ毎回だが…)、募集50spが満了。
コスプレも事前エントリー制だが、募集枠100人が満了する展開。
一般参加者もそれなりに押し寄せ(恐らくサークル数の4〜6倍程度は来ていたのではないか)、閑散とした雰囲気は全くなく、常時人で賑わっていた。
流石、県内では唯一、絶え間なく即売会が続いていた町だけあって、その熱気は相当だ。
一般参加者は、男女比2:8ぐらいで、地場の即売会にしては男性陣も多い。
男性陣は、地元在住のベテラン勢・古参勢も多いのかな?とお見受けした。
一方女性陣の一般参加は、学生さんなど若手の比率が高い印象。
サークルの参加層は、一般参加に比べもう少し上の世代。20〜30代が多い。
また、一般参加者に比べ女性比率も高く、95%以上が女性の売り子だ。
頒布物も、アクセサリー・ポストカード等の小物類が多いのはいつものことだが、オールカラー本を出すなどして頑張っている同人誌サークルも。
ジャンル傾向としては、刀剣乱舞・FGOが共に9サークルで突出。次いで、アイドルマスターSideMが5サークル、といったところか。
FGOは、男性向け文脈において、コミックマーケットで大量のエロいのが出るのを除けば、オンリーイベントも比較的勢いに弱い。一方、女性向け文脈はスタジオYOUの「王の器」が堅調。元々Fateシリーズは、女性向け文脈の強さが目立っていたが、FGOに入っても女性向け文脈の強さは衰えていないようだ。
13時以降、イベント等のアピールタイム、次いでじゃんけん大会が実施された。
となると当然、その周辺に皆が集まる傾向に…ただ、この時当サークルのスペースが人だかりで占拠されたのは閉口。これに対し運営側も列整理等に動いておらず、こちらとしては為す術の無い状況。
もう少し、周辺サークルへの影響を考慮し、然るべきケアやフォローを図っていただきたいものである。
なお、パンフレット等を見ると、「都城ミュージカルクラブ」という地場の劇団が共催に名を連ねている。
これは中の人が同一であるがゆえ、と考えられよう。
元々「劇」という切り口から地域活性化・文化醸成に努めておられたようだが、その活動の延長線上で「サブカルチャー」的な切り口からの取組が、「みやけっと」とも言えるだろう。
- 3.宮崎県内・同人の潜在的ニーズは侮れない
現在、宮崎県内の同人誌即売会を見ると、この都城以外では、宮崎市(市中心部ではなく青島地域だが…)及び日向市で即売会が続いている。
特筆すべきは、県内どの即売会も皆、サークルスペース「満了」を出しているところ。締切を前倒しする即売会も、決して珍しくはない。オールジャンルの同人誌即売会が都心・地方問わず低落傾向の中、宮崎県内は一線を画している。
もっとも、キャパシティにすればどこの会場も50sp程度なので、そんな大きい規模でもないだろうが…
それでも、キャパシティを満たしきれないだけの同人者が宮崎にはいる、ということ。それだけの潜在的ニーズが存在する、ということでもある。このニーズが、即売会を開催し続けられるだけの原動力、とも言える。
流石に規模拡張までは難しいかもしれないが、それでも、即売会の存在を求め、楽しみにしている人々は一定数存在していることは間違いない。
そういう県内同人者の想いを胸に、今後も即売会という「場」の提供に努めていただけるよう、筆者は願っている。