福岡市では、大小さまざまな同人誌即売会が開かれているが、福岡市郊外でも、時折同人誌即売会が開催される。

福岡市郊外・大野城市は、福岡市から電車で10〜15分程度と至近の地。
即売会に適した会場として、多目的ホールを有する公共施設「まどかぴあ」がある。
ここで、久々に同人誌即売会「TOYS☆MARCH」が開催されるとの報を聞く。

…どうせ東京や大阪は緊急事態宣言発令中で即売会開催禁止だし、宇部の帰り道に立ち寄るか。
ということで、宇部からそのまま帰宅せず、北九州市内で1泊。
翌日、福岡市に移動。西鉄に乗り換えて大野城まで移動した。

【目次】
◆2002年頃から開催実績を持つ「TOYS☆MARCH」
◆会場・大野城まどかぴあ
◆参加サークル数はなかなか健闘
◆感染防止策と「企画」の両立
  • ◆2002年頃から開催実績を持つ「TOYS☆MARCH」


筆者の人生初となるサークル参加は、2003年。
実は、福岡開催の同人誌即売会が、初サークル参加の催事だったりするw

福岡でサークル参加ということもあり、当時は、福岡界隈の即売会情報をそれなりに収集していた。
その中で、「TOYS☆MARCH」のお名前もお聞きしていた。
当時は参加がかなわなかったが、10数年の歳月を経て、ようやく足を運ぶことができた。感無量である。

この頃の「TOYS☆MARCH」は草創期。
福岡市郊外での開催を続けており、大野城市と同様に福岡衛星都市の「春日市」でも開催していた。
最終的に大野城で落ち着いたものの、なかなか参加の叶わぬ即売会だった。

理由としては、5月ゴールデンウイークや連休等、大規模即売会と被った開催が続いたから。
流石に筆者も、大規模即売会へのサークル参加を、優先せざるを得ない。
逆に言えば、5月の大規模即売会がコロナですべて吹っ飛んだからこそ、足を運ぶことができた、とも言えるだろう。

あと、2011年を最後にしばらく開催が途絶えていたことも、参加できない大きな理由だった。
そして7年の沈黙を経て、2018年にイベント復活を宣言。
翌2019年5月に、久々の開催と相成った。

その翌年・2020年は、コロナの影響で中止に追い込まれたものの、2021年に、再びの復活開催。
普段ならゴールデンウイークの即売会と被って行けないはずが、今回はコロナの影響で即売会が全量潰れ、予定がまるまる空いてしまった。しかも、前日には隣県・山口県宇部市にいる。
この状況ゆえに、筆者の選択は決定的なものとなった。


  • ◆会場・大野城まどかぴあ


大野城市の「まどかぴあ」は、オンリーイベントでの開催が多い。
30〜40sp程度の小規模な「箱」は、オンリーイベント向きなのだろう。
オールジャンル同人誌即売会も開催されてはいたが「少数派」で、むしろ女性向けジャンルを中心に、小規模なオンリーイベントの方が、開催件数は圧倒的に多い。

会場は、大野城市役所の近くだが、駅から離れている。
私は、西鉄・春日原駅で下車し、そこから徒歩で会場入り。徒歩10〜15分とやや離れている。
JR大野城駅からもアクセス可能だが、西鉄利用時の倍は歩くだろう。バスもあるが、本数も少ないのでオススメしづらいw
自分的には、西鉄春日原駅からの徒歩が、「最適解」だろうか。


  • ◆参加サークル数はなかなか健闘


流石に、このコロナ蔓延の最中。一般参加者はそんな多くない。
サークルも普段より減って当り前だろうが、26サークル・34spなのでそんな派手な減り方ではない。いや、むしろ目減りを抑えることができたから「健闘」の部類に当たると思う。

(もちろん、このご時世なので急なドタキャンは発生したが…)

よくよく考えてみれば、即売会の開催も、2021年に入ってからほとんど無かった。
「場」が極端に少なくなっていたので、「場」に飢えた方々の「受け皿」として機能した部分も大いにあると思う。

ジャンル傾向としては、プチオンリーとして併催されていたこともあり、「第五人格」が5サークルと最大手。
それ以外では、服飾・ハンドメイドや、創作系が多かった印象。

参加者の大半は女性陣の創作者だが、男性サークルも若干数は存在していた。


  • ◆感染防止策と「企画」の両立


世の同人誌即売会では、様々な企画が勃興し、催事の盛り上げに彩を添えている。
しかし企画の多くは、一般参加者が集う・大きな声を出す、など感染防止の観点から相反する性質のものが多い。
このご時世では、厳しいものがある。
よって、企画を割愛し、即売会「本体」だけに絞り込む運営も多い。

即売会における「企画」と、感染防止策とは、両立が難しい。
そんな中、この即売会は、工夫を凝らし両立を試みている。

パンフレットは計24ページ・オールカラーの大作だ。
ぶっちゃけ言って、20数サークルの規模にしては内容が充実しすぎている。
それもその筈、全体の2/3以上が、「企画」のページなのだ。

「TOYS☆MARCH」の企画は、ビンゴゲームでもじゃんけん大会でもない。
誌上で謎解き企画を実施し、謎解きを終えたら景品がもらえるというもの。
これなら、密にならず、声も出さず。静かに企画に参加できる。

「TOYS☆MARCH」では休憩スペースが広めに用意されていたが、これは一般参加者が謎解きを楽しんでもらうためのスペースとも言えるだろう。
謎解きに必要な筆記用具が用意されていたことが、その証左となるだろう。
なかなか知恵を絞っている。

コロナ禍で、多くの即売会が開催を控え、或いは中止に追い込まれる状況。
そんな中、感染防止策と催事開催、そして企画を両立させているこの即売会には、心からの敬意を表するとともに、今後の開催継続も願ってやまない。