東北に転勤してみて、東北の即売会がめっきり減ったことに気づく。
コミケを筆頭に、全国各地で同人誌即売会が徐々に復活するも、秋田なんぞは復活の兆しすらない
そんな中、岩手県はほぼ順調に回復しており、コロナ前から開催し続けていた即売会はほぼ全量復活した。

それだけでなく、新たな即売会立ち上げの動きすらある。
それが今回、紫波町で開催される『オタコミ』である。

紫波町は、盛岡市と花巻市の間にある、小さな町だ。
盛岡都市圏の「ベッドタウン」的な位置づけの町でもあることから、「町」とは言え人口は約3万とそこそこ多い。
町には、JR東北本線「紫波中央駅」があり、この駅の駅前に鎮座する公共施設「オガール」での開催だ。

20230325_110105



北日本の即売会は、なるべく足を運びたいと思っている。
筆者は、紫波町に急行した。

【目次】
1.官民共存の公共施設「オガール」での開催
2.オールジャンル『オタコミ』と創作即売会『otacco』
3.小規模ながらも危なげない運営
  • 1.官民共存の公共施設「オガール」での開催


「オガール」は役場・図書館・コミュニティセンター等の行政機能を持つ公共施設だが、1階フロアには飲食店・スーパー等も入れており、公共施設と民間運営のお店が一体化してる感じ。
何故か、地方創生コンサルの木下斉氏が「地方創生の聖地」と絶賛していた。
まあ、民間資本を導入するのは最近の流行ですよね…と言いたいところだが、公民連携の取組は他に先んじて早く、先駆的な取組として注目を集めている、ということだと思う。

「オガール」は、駅からバスで1時間かけて行く山奥の即売会とは違い(ひでぇw)、駅近くの便利なロケーションだ。
オガールの幾つかある建物の中で、1階が図書館になっている棟がある。図書館の真上・2階が「情報交流館」
いわゆるコミュニティーセンターの機能を持つ施設であり、ここが即売会の会場となる。

なお筆者は以前「オガール」に用事があって足を運んだ時に立ち寄った、岩手名物ジャージャー麵のお店が美味くてお気に入り。そこで今回もお昼を堪能したw

20230325_113943



  • 2.オールジャンル『オタコミ』と創作系中心即売会『otacco』


主催は「otacco&オタコミ運営部」。
郵送申込先を見ると「創作交流会実行サークルotacco宛 オタコミ運営部」とあり少しややこしいが、同じ主催が、創作系中心の即売会『otacco』と、オールジャンルの同人誌即売会『オタコミ』とを、「二刀流」で開催している。
その考え方で大きな間違いはないと思う。

どちらの催事も、現時点では、紫波町の「オガール」での開催だ。

まずコロナ禍の2021年12月、紫波町の隣・矢巾町にある「CocoテラスY」カタリーナホールにて、『otacco』の方が産声を上げた。当時はコロナ蔓延真っただ中、サークルを集めるにも厳しく、12サークル規模でのスタート。

その次の開催は、翌2022年11月。『otacco』の第2回。
ここで紫波町の「オガール」を始めて起用した。
知名度も上がり、41sp規模に。
イラストレーター・横田守氏をゲストに招聘し、絵に関するQ&Aなどのトークショ―企画も実施された。

また、子育て世代の参加を意識してか、キッズスペースも用意した。
同人者は高齢化を重ね、そろそろその多くが、子育てに差し掛かる年代に達している。
特に女性サークルの多い即売会は、子育てで同人から離れそうな人を繋ぎ止めるべく、子育て世代への参加を促すこの手の取組が必要になりつつあると思う。

実は筆者も注目し参加を申し込んでいたものの、11〜12月は本業で土日の半分以上が潰れる地獄ロード。行きたい即売会も思うように行けず、申し込んだものの『otacco』への参加は断念した。

しかしこのやり取りの中で、2023年3月25日、新しい催事を始めるとも聞いた。
これが今回参加した『オタコミ』である。


  • 3.小規模ながらも危なげない運営


前回(22年11月・第2回目の『otacco』)より少し数字は落としたものの、36spとそれなりの規模をキープ。
今回はコスプレイヤーの受入にも力を入れており、更衣室を用意する関係上キッズスペースの用意ができなかったものの、その代わり大勢のコスプレーヤーが参加。場に彩りを添えた。
初動は15人ぐらいだが、入れ替わり立ち替わり、そこそこ一般参加者も足を運んでくれたと思う。
イラストコンテストや落書きホワイトボードなど、交流を促す企画も用意されていた。

運営面では大きな問題もなく、あえて言えばサークル参加費の決済方法が「定額小為替」オンリーで少し不便だったことぐらいだろうか。
(不便とは言え、ひと昔前の決済方法なので、そんな問題なく対応できたとは思うが)
次回以降、振込も導入いただけるようなので、不便さも解消され改善が見込めると思う。

次回は、7月の「作業会」。クリエイター向けの交流会だ。
ハンドメイド創作者を念頭に、オガール備品のミシンも用意する取組が目を引く。

そして10月に第2回目となる『オタコミ』を、やはり紫波のオガールで開催する。
知名度の向上とともに、サークル数も安定してきている。
次回も、一定の参加サークルが見込めるだろう。

ただ最後に、一つだけ言わせていただきたい。
なんで南紀の限界即売会『山奥で同人誌即売会』参加サークルが、紫波の『オタコミ』に、複数いるんすか?w
ここ紫波だよ岩手県の…田辺市の山奥と、どれだけ離れてると思ってるんだよw

…まあ、即売会遠征好きの、筆者の「同業者」にも注目されている即売会、ということになろうか。