冬コミの新刊に目途が付きましたので、ご案内します。
テーマは「消滅即売会」「コロナ禍を経た、即売会の現在」

コロナでありとあらゆる同人誌即売会が、被害を被りました。
中止・延期した即売会も、流石に4桁はいかないかもしれませんが、数百はあるでしょう。

仮に頑張って即売会を開いたとしても、自粛ムードも漂うコロナ禍の時代。サークルも一般参加も決して多くは無く、サークルも売り上げ的には厳しい。
売れなければ、サークルも即売会への参加意欲を無くす。
参加サークル数が減れば、主催の収支も厳しくなる。
心折れて即売会開催を、断念する主催も出てくる…

コロナのせいで消滅した即売会は、どれだけあるのだろう?
それを探り、即売会の「いま」を記した本です。


【刊行物概要】
●書名…『消滅即売会-コロナ禍編-』

●B5サイズ 表紙カラー・本文モノクロ 44ページ (600円)

●頒布予定…
冬コミ 2日目・日曜日(2023/12/31)
日曜日 東地区5ホール “パ” ブロック 58b
以後も、「STRIKE HOLE」サークル参加イベントにて頒布予定

*店舗委託…メロンブックス・GREPにて予定

●内容…コロナの影響で、同人誌即売会はどれだけのダメージを被ったのか?消滅した即売会も、多数。コロナを経過した後、同人誌即売会の「いま」を47都道府県単位で解説します。

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≪目次≫
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コロナのせいで、即売会は、甚大な被害を受けました。
もともとコロナの最中から、コロナが落ち着いたら、その影響を総括した本を出してみようとは思ってました。
コロナが落ち着いてきたので、コロナ禍で即売会がどれだけの影響を受けたか。後世に記録として残すことで、状況を可視化しようと試み、本誌の刊行に至りました。

STRIKE HOLEならではの展開ですが、47都道府県単位で、コロナ後の状況を解説しています。

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やはり、即売会の消滅はそれなりにありました…
消滅せず残った即売会も、開催ペースが半減。年6回が年2回になったり、年2回が年1回になったり。年1回が各年開催になったり…開催の弱まり具合は顕著で、まだまだ「復活」とは言えません。

でも面白いのは、新たな息吹も生まれてきたところでしょうか。
これまで即売会が開催されなかった、またコロナで即売会が消滅してしまった地域で、新しい即売会が生まれてきました。
10sp15spの小規模な即売会が多いのですが、即売会の規模が小さくなっても、「コロナ禍だから仕方ない」で済むので、即売会開催の心理的ハードル-サークルを集める義務感-から解放され、気軽に軽率に、即売会を開けるのかもしれません。
ネットを駆使し、主催の負担も最小限に抑えた、小回りが利く即売会が多い印象です。
戦争で焼け野原になっても、そこから草花が芽生えてくるようなもので、同人の息吹の力強さを感じます。
実際、コロナ前まで即売会開催ゼロの県が、コロナ後急に即売会づいてきた、というケースすらあります。

…小回りが利く即売会が開催しやすくなったからこそ、「限界即売会」も生まれるのかもしれませんがw

また、コロナの間は「政治」の力に助けられました。
筆者も中小企業診断士として、同人者の救済に尽力した立場だからこそよくわかるのですが…

コロナの間、即売会で同人誌を売れず苦しんだサークルは「持続化給付金」「一次支援金」など国からの給付に助けられました。

主催も、イベント開催助成『Arts for the future!』に助けられました。あの制度で、100万単位の助成を貰えなかったら、主催は興行的収支が壊滅し破産。二度と即売会を開けなかったかもしれません…
あの助成金のお陰で、コロナ後の今、即売会が続いている。そういう事例もあります。
コラム『「消滅即売会」の発生を食い止めた「政治」の力』では、政治の働きについて自分の体験も交えながら、後世に記録として残していきたいと思います。

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また、コラム「オンライン即売会の動向を語ってみた」では、オンライン即売会が何故流行したのかを、自分なりの視点で語ってみました。
コロナ明けの今でも、オンライン即売会は根強く残っています。
コロナだからオンライン即売会は流行ったわけではなく、同人サークルの生活スタイルにマッチしたサービスだからこそ、オンライン即売会は定着したのだろうと思います。そこをコラムで、自分なりに語りました。

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コロナを経た即売会の「いま」を、コラムも交えながら、なるべく多面的に語ったつもりです。
コロナの影響を受けた同人界の苦境を、記録して遺した本。是非ご購入下さい!

なお表紙は、VTuber・香賀彩葉様をモデルに起用し、サークル「ENJOY*MIX」伽藍快様にお描きいただきました。
いつも丁寧なお仕事、ありがとうございます!